2005 Fiscal Year Annual Research Report
人工生命手法による中海生態系環境の評価に関する研究
Project/Area Number |
16560448
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Research Institution | TOTTORI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松原 雄平 鳥取大学, 工学部, 教授 (60116374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 正光 鳥取大学, 工学部, 助教授 (10225279)
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Keywords | 生態系評価 / ニューラルネットワーク / SOM / 流動モデル / 湖沼生態系 |
Research Abstract |
(1)中海の流動現象の解析:黒岩は、昨年のモデル湾の流動解析に基づき、中海水域の流動現象を再現するためにシグマレイヤモデルを適用し、中海水域の流動機構の解明を試みた。中海の下流端である境水道での潮位を境界条件とし、上流端としては宍道湖の水位を与え中海の流動現象を計算した。水表面の風応力については、基本的に無風条件での流動現象から強風が水面に一様に吹いている状況までの数パターンで流動を再現した。その結果、表面の風応力の存在が、湖水の鉛直循環に大きく寄与することが分かった。また、湖水の中央部ならびに浅海域での基本的な流動パターンを確認した。 (2)中海水域の環境因子のデータベース化と人工生命技術の水質評価への適用:松原は中海および宍道湖水域で観測されてきた同水域の水質観測データならびに気象観測データから自己組織化マップSOM(SOM : Self Organizing Map)を利用して、水質変動特性の領域評価への適用を試み、上記(1)で構築したデータベースから、環境因子の変動と水質項目の変化の因果関係をSOMで明らかにした。また、(1)で算定された中海の流動解析の流れデータをSOMモデルに取り込み、大橋川水域、中海湖岸水域、湖心水域ならびに境水道水域に分けて、その相関関係を明らかにした。また、ヤマトシジミの生存環境についても、本人工生命モデルによって、条件抽出が可能であることが分かった。様々な要因から構成される生態系の諸現象を数値モデルと数理モデルとのバインディングで解くことの可能性を確認した。
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Research Products
(1 results)