2005 Fiscal Year Annual Research Report
非定常な流量と土砂共給条件による水みちの変動と砂粒子の分級効果に関する研究
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16560457
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
三輪 浩 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助教授 (70190832)
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Keywords | 水みち / 土砂供給条件 / 流量条件 / 河床低下 / 上昇 / 流路変動 / 澪筋 / 混合砂河床 / 分級 |
Research Abstract |
本研究は,平水時に発達した水みち河床を対象として,流量や土砂供給量の変化が水みちの変動に及ぼす影響を明らかにするとともに,この過程に及ぼす混合砂礫の分級効果を検討することを主眼としている.本年度は混合砂河床を対象として,流量一定の下で土砂供給量を矩形状(Case A)および三角形状(Case B)に変化させた場合と,土砂供給量一定の下で流量を矩形状に変化させた場合(Case C)について,これらの条件および砂礫の分級が水みちの変動に及ぼす影響を検討した.得られた結果を以下に要約する. 1.Case Aでは土砂供給期間の河床上昇と土砂無供給期間の河床低下が顕著に現れる,Case Bでは顕著には現れない.また,いずれのケースも河床低下量と低下速度は一様砂河床の場合よりも大きい.これは分級の進行によって水みちの河床表層砂が細粒化するためである. 2.Case Aでは,土砂供給期間で水みちは分岐して流れ場は変動するが,土砂無供給期間で水みちは統合して流れ場は安定化する.一方,Case Bでは土砂供給増加期間で流れ場は安定化し,減少期間で変動する.このような現象は分級が発生する混合砂河床の方が時間的な遅れが大きい. 3.Case Bのような緩やかな土砂供給は澪筋の固定化を抑制するが,この効果は混合砂河床の方が顕著である. 4.Case Cでは,大流量期間で浮州は減衰し,水みちは埋め戻されて流れ場は変動するが,小流量期間で浮州は発達し,流れ場は安定化する.この傾向は河床に粗砂が堆積して形成される浮州が安定な混合砂河床の方が顕著である. 5.Case Cにおける流量増減による水みち深さの変動幅は混合砂河床の方が小さく抑えられる.これは,小流量時に河床の粗粒化が進行し,河床洗掘が抑制されるためである. 今後、流量および土砂供給量の変動周期が異なる場合の実験を追加し,これらの影響も検討する予定である.
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Research Products
(3 results)