2005 Fiscal Year Annual Research Report
生産効率性と潜在需要に基づくバス事業の路線別総合評価手法の開発
Project/Area Number |
16560466
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
柿本 竜治 熊本大学, 政策創造研究センター, 助教授 (00253716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 章志 熊本大学, 工学部, 教授 (20135403)
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Keywords | 乗合バス事業の規制緩和 / 生産性構造分析 / トランスログ型費用関数 / 路線ポテンシャル / バス路線網再編 / 生活交通対策 / 補助金 / 自治体アンケート |
Research Abstract |
1.路線別バス事業経営評価手法の開発 平成14年の道路運送法の改正により,バス路線の需給調整規制の廃止とともに地方バス補助制度も改定された.これにより,これまで内部補助を前提としていた事業者への補助措置ではなく,生活交通確保のために地域にとって必要な路線に対する路線毎の補助制度に改められた.補助金投入に際し,従来,路線を評価する指標として営業係数や輸送密度が用いられてきたが,これらの指標による評価には営業費用を最小にする投入や産出がなされているかという企業努力は不問としている.そこで本研究では,生産性と集客性で構成される「企業努力面」と,公共性と収支性で構成される「経営・環境面」とにより路線を分類し,さらに運行サービス水準等の路線の特性による主成分分析を行い,路線改善策を抽出する方法の提案を行なった.この方法により,公的補助投入対象路線を効率的に絞り込むことが出来るとともに,補助対象外の路線を維持するための具体的な改善策を示すことが出来た. 2.路線別特性評価に基づくバス路線網再編手法 本研究は,バス輸送の持つ平均生産性構造と実績費用とを比較することによる当該路線の生産効率性,および路線沿線の潜在需要と実際に獲得した乗車人員との比較による潜在需要の顕在化可能性という2つの視点から,バス路線別の特性評価を行なう方法を提案したものである.さらに,この特性評価法による路線の分類,および分類された路線を改善する合理的でシステマティックな路線再編方策を示す.熊本都市圏を対象として汎用交通需要パッケージの一つであるJICASTRADAを利用し,この路線分類別改善方策にしたがったバス路線網の再編を試みた.再編バス路線網に対して交通需要予測を行なった後路線別,および路線網全体の乗車人員や営業係数などについて効果分析を行い,本手法の実用可能性と有用性を検証した.
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Research Products
(6 results)