2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560470
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
松浦 茂樹 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (20318314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大淀 昇一 東洋大学, 文学部, 教授 (90016543)
神吉 和夫 神戸大学, 工学部, 助手 (70031135)
小野田 滋 鉄道総合技術研究所, 情報国際部, 主査
北河 大次郎 文化庁, 文化財保護部, 文部技官(研究職)
原口 柾人 北海道開発技術センター, 道路情報館, 研究員
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Keywords | 古市公威 / 国土整備 / 明治 / 戦前 / 内務省 / 近代第1期 / 京釜鉄道 / 万国工業界 |
Research Abstract |
古市公威の生誕は1854(安政元)年であり、逝去は1934(昭和9)年である。1880(明治13)年にフランス留学から帰国した古市が内務省土木局勤務の後、帝国大学工科大学々長となり、工学の指導者として社会の第一線に登場したのは86年である。 この1886(明治19)年についてみると、その前年に内閣制度が確立したが,経済では松方デフレが終息し、鉄道事業をはじめとして紡績業・鉱山業などに多くの新規会社の設立をみた。この頃から明治30年代にかけてが、わが国の産業革命が達成された時期である。西欧に比べ後進資本主義国として出発したわが国は、「殖産興業」、「富国強兵」を国是として、政府による上からの保護育成策によって国土整備と産業の近代化を図っていった。 一方、古市の逝去した1934(昭和9)年をみると、31年の満州事変以降、大陸で軍事活動が展開されていたとは言え、平常時の年であった。経済についてみると、昭和初期の27年に金融大恐慌、29年には世界大恐慌が発生し、経済は大混乱となったが34年はまだその回復を見ていない。しかし戦時経済下には入っていず、明治以来、日本が推し進めてきた工業化あるいは国土の近代化の一つの到達地点であった。その工業化・国土の近代化について,古市公威は,工科大学々長とともに内務省内務省土木技監・土木局長,逓信次官,鉄道作業局長官,京釜鉄道会社総裁,工学会理事長,理化学研究所所長,万国工業会議会長等として指導した。 古市が指導した明治から昭和初頭までの国土づくりを近代第一期国土づくりと評価している。この近代第一期国土づくりの全体像について,古市の人生を縦糸に、この時期に行われた様々な国土づくり、それは事業であり計画・構想であり、教育であるが、それらを横糸にして、近代第一期の国土づくりの分析を行った。
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Research Products
(1 results)