2005 Fiscal Year Annual Research Report
水圏COD低減のための自然システム利用の水浄化法設計指針構築
Project/Area Number |
16560478
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Research Institution | Research Reactor Institute, Kyoto University |
Principal Investigator |
藤川 陽子 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (90178145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 正孝 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119)
濱崎 竜英 大阪産業大学, 人間環境学部, 講師 (50340617)
福井 正美 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (40027462)
馬原 保典 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (30371537)
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Keywords | 難分解性有機物 / 逐次分画 / COD削減 / 自然浄化 / 分子量 / C / N比 / FT-IR |
Research Abstract |
本研究では有機物の逐次分画法を適用し、自然浄化手法を用いた施設の流出入水中の有機物を6画分に分けて施設の除去性能の実態を調査してきた(A:腐植質-低分子量-生分解性、B:腐植質-低分子量-難分解性、C:腐植質-高分子量-難分解性、D:非腐植質-低分子量-生分解性、E:非腐植質-低分子量-難分解性、F:非腐植質-高分子量-難分解性の画分)。2005年度は、画分別の有機炭素濃度を測定し、有機炭素の6画分への分布状況とそれぞれの除去特性を検討した。2006年度は、特に畜産廃水のラグーン法および土壌浸透処理施設において自然浄化法により除去され易い有機物の特性をより詳細に明らかにする目的で、6画分に分けた有機物について(1)炭素・水素・窒素・硫黄濃度の分析、(2)サイズ排除クロマトグラフィ(日立化成GelpackGL-W520分離後UV波長260nm吸光度および示差屈折率測定)による有機物の分子量分布測定、(3)フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)による官能基組成の測定、を行った。一般に波長260nmの紫外線を吸収する水中の物質は、腐植質成分と言われる。しかし、サイズ排除クロマトグラフィ測定結果ではこの畜産廃水原水は、波長260nmの紫外線を吸収する分子量1000弱から15,000程度の「非腐植質」有機物を多く含んでいた。畜産廃水中の有機物のC/N比は高分子量成分で3、腐植質成分で7-19、腐植質低分子量成分では23-30程度であった。従って、腐植質有機物の中でも高分子量の成分や非腐植質で高分子量の成分は相対的にC/N比が低く、炭素とともに窒素を多く含む有機物の割合が多いと推定された。赤玉土土壌浸透槽の処理により分子量1,500-16,000のUV260nmを吸収する有機物が全般に減少したが、特定のFT-IRのグループ振動をもつ化合物のみが特異的に除去された形跡はなかった。
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Research Products
(6 results)