2005 Fiscal Year Annual Research Report
廃水のオゾンおよびオゾン・過酸化水素処理における活性酸素種等の挙動に関する研究
Project/Area Number |
16560479
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山田 春美 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40089123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津野 洋 京都大学, 工学研究科, 教授 (40026315)
日高 平 京都大学, 工学研究科, 助手 (30346093)
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Keywords | オゾン / 過酸化水素 / ヒドロキシルラジカル / 臭素酸イオン |
Research Abstract |
BrO_3^-は、水中のBr^-がO_3と反応して生成される。その生成経路にはO_3による直接経路、直接-間接経路および間接-直接経路がある。HOラジカルのみでの間接-間接経路による生成は認められない。O_3処理におけるH_2O_2添加により、BrO_3^-の生成量は増加、或いは減少するという両方の報告ある。そこで、下水処理水のO_3/H_2O_2処理におけるBrO_3^-および有機臭素化合物の挙動と有機物の無機化へのアルデヒドおよび低級カルボン酸類の挙動を把握することを試みた。得られた成果を以下に示す。 1.O_3/H_2O_2処理ではH_2O_2のO_3分解の影響で溶存O_3出現のための初期O_3要求量はより多くなる。溶存O_3を制御できるH_2O_2添加量は、約0.5 H_2O_2添加量/O_3消費量(Mole/Mole)である。 2.O_3/H_2O_2処理では、O_3消費量の増加とともに有機物の低減が生じるが、同時にUV_<254>の低減も起きSUVA値としてはO_3単独処理と変わらない。 3.H_2O_2の添加はBr^-のBrO_3^-への転換を抑制する。溶存オゾンとH_2O_2濃度との関係からH_2O_2の濃度が約5mg/L以下になるとO_3の溶存が認められる。この値はH_2O_2とO_3の注入量のモル比で約0.5 H_2O_2/O_3である。しかし、O_3が溶存し始めるとO_3単独処理では見られない急激なBrO_3^-の生成が生じる。 4.O_3/H_2O_2処理でのBr O_3^-の生成経路はH_2O_2の減少に続くO_3の溶存と関係が深く、その生成速度は非常に速い。Br O_3^-の生成制御のために溶存O_3濃度は0.1mg/L以下に制御することを操作因子として提示した。 5.O_3単独処理の場合、TOBrは若干減少してから徐々に増加するが、O_3/H_2O_2処理では全処理過程で減少した。O_3/H_2O_2処理でアルデヒド類の中で最も生成量が多いのはホルムアルデヒドで、O_3単独処理よりその生成量は少なかった。最大生成時間もO_3処理より遅くなる。低級カルボン酸の生成量もO_3/H_2O_2処理の方が多かった。
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