2004 Fiscal Year Annual Research Report
大深度地下建設工事における地下水環境影響評価システムの構築
Project/Area Number |
16560483
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
小宮 一仁 千葉工業大学, 工学部, 教授 (30234884)
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Keywords | 大深度地下 / 地下空間 / トンネル / 間隙水圧 / 地下水 / 環境影響評価 / 地盤 |
Research Abstract |
大深度地下建設工事に伴う地盤変状のシミュレーション法の確立に関して、既に開発済みの数値解析手法を大深度地下工事に適用するために、新たに硬質地盤を対象とした構成則の導入等を行った。また、大深度地下の環境影響は、長時間・広範囲に及ぶ。このため、大深度地下空間構築後の老朽化等による地下構造物と地盤の間の排水条件の変化が地下水環境に影響を及ぼす可能性がある。これを評価するために、地下構造物境界の排水条件を自由に設定・変更できる機能を上記プログラムに新たに導入した。この成果を国際的学会の学術誌に投稿し、掲載決定を得た。 大深度地下における地質特性や工事の影響を調査するために、既発表論文等の調査に加え実際の大深度地下工事で計測された地盤変状データ等の収集を行った。我が国においては、計測管理下で行われた大深度地下工事事例はほとんどなく、地盤変状観測データ等の収集は困難であったが、米国の地下大規模地下加速器(素粒子物理学における実験装置)の建設工事や好物資源掘削坑の工事における地盤変状や間隙水圧の観測結果が得られた。これには、欧米におけるこれら建設工事に詳しい海外共同研究者の協力を得た。これら情報の収集および観測データの処理、解析用のパラメーター選定のための打ち合わせを海外にて1回実施した。 大深度地下における地下水圧や地下水流の既設変状等のデータは、環境影響評価における重要な初期条件・境界条件である。この条件を確定するため、千葉工業大学校地内に設置された観測坑より得られた地下水圧、温度等のデータの分析を行った。観測データは平成8年度から、地下水圧は10分毎、温度は常時観測されデータ蓄積が行われているので、この観測を継続して行った。観測データの分析から、大深度地下水の挙動解明のための知見が得られた。
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Research Products
(1 results)