2004 Fiscal Year Annual Research Report
硫黄の酸化還元サイクルを活性化した下水処理装置内の微生物機能評価と強化技術の開発
Project/Area Number |
16560489
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
荒木 信夫 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (30193072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 隆司 呉工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (10280447)
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Keywords | 下水処理法 / 硫酸還元細菌 / 硫黄酸化細菌 / 微生物群集構造解析 / Real-time PCR / 機能遺伝子 |
Research Abstract |
硫黄の酸化還元サイクルを活用した新規下水処理システムの都市下水連続処理運転を行い、前段UASB槽および後段好気性ろ床内の汚泥の微生物群集構造解析を行った。前段UASB汚泥に関しては以下の知見が得られた。1)硫酸還元機能遺伝子apsAに基づいたクローン解析を行った結果、不完全酸化型の硫酸還元菌(Desulfobulbuaceae, Desulfovibrionales)の他に、共生細菌(Syntrophobacter)や硫黄酸化細菌(Thiobacillus)、クローングループ(APSC-1)を形成した未知の細菌の存在が明らかとなった。2)APSC-1に属するクローン由来のApsAアミノ酸配列は、他の硫酸還元菌と同様に強く保存されている配列を含むことが判明した。3)Real-time PCR法を用いたapsA遺伝子の定量系を構築し、UASB内にはDesulfobulbuaceae, Desulfovibrionalesに属する硫酸還元菌が優占して存在していることが判明した。4)UASB内のapsA遺伝子数は、Desulfobulbuaceae, Desulfovibrionalesに属する硫酸還元菌とThiobacillus属のもの、Syntrophobacter属とAPSC-1由来のものが同様の季節変化を示した。 また、後段好気性ろ床内の生物に関しては以下の知見が得られた。5)UASB流出水を再処理する好気性ろ床では、生物膜内での硫黄の滞留や硫黄の酸化還元循環が発生し、硫黄に関する物質収支が安定しなかった。6)後段好気性ろ床の生物膜内には硫黄酸化細菌としてThiobacillus属細菌、Thiothrix属細菌が優占していた。7)Thiobacillus属に特異的なProbe Thio840を設計し、後段好気性ろ床の生物膜汚泥からThiobacillus属細菌を特異的に検出した。8)BONE663cF-Thio840R primerをReal-time PCR法に適用することににより、Thiobacillus属細菌の16S rRNA遺伝子の迅速な定量法を確立した。
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Research Products
(1 results)