2006 Fiscal Year Annual Research Report
東北地方の震源特性・伝播特性の地域性を考慮した統計的地震動評価手法の開発
Project/Area Number |
16560491
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 晋 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40361141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
源栄 正人 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (90281708)
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Keywords | 地震 / 強震動 / 東北日本 / 強震観測 |
Research Abstract |
本研究では,地震ハザードマップの高精度化を目指し,豊富な観測記録が蓄積され,かつ宮城県沖地震に代表される近い将来の地震被害が危惧されている東北地方を対象として,同一データセットを対象にスペクトルインバージョン解析及び距離減衰式算定を行うことで,震源・伝播経路・増幅特性の地域性を考慮した統計的な地震動評価法の開発を目的としている。本年度は最終年度として下記の項目を実施し,研究成果の取りまとめを行った。 1 地震動強さの評価式の算定 平成16年度で構築した強震動データベースと平成17年度で求めた地震学的なパラメータ(地震モーメント,応力降下量,幾何減衰やQ値)に基づき,各パラメータの地域性(内陸地震・プレート境界地震・スラブ内地震及びその場所による相違)に関する検討を実施し,それらを反映した最大加速度・最大速度・応答スペクトルの統計的な評価式(距離減衰式)を算定した。 2 地盤増幅特性評価と既往地震動評価との比較 1)の結果を用いて最大加速度・最大速度・応答スペクトルの地盤応答マップを作成した。さらに本手法により代表的な地震(宮城県沖地震や長町-利府断層など)に対する地震動を評価し,過去の地震の地震動強さ分布や既往の地震動想定結果との比較検討を実施し,本研究で開発した地震動評価手法の適用性を確認した。本評価手法は地震学的なパラメータを直接距離減衰式にとりこんだことで,より高精度な評価を実現すると同時に,最新の地震学の成果を取り込むことが容易になるという利点を有している。
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Research Products
(1 results)