2006 Fiscal Year Annual Research Report
鉛直力と水平力を受けせん断破壊するRC及びSRC構造物の崩壊判定に関する研究
Project/Area Number |
16560504
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
内田 保博 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (80168707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 浩之 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (60315398)
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Keywords | 崩壊 / せん断破壊 / 鉄筋コンクリート / 解析 / 骨組 / 耐震診断 / 軸力 / 耐震指標 |
Research Abstract |
1.柱のせん断破壊を取り入れた鉄筋コンクリート(RC)構造物の解析法の提案を行うとともに、構造物全体の変形能力とRC柱の変形能力の関係について調べた。解析では、せん断破壊現象をマクロにとらえた曲げモデルを用いている。曲げモデルの鉄筋の応力度-ひずみ度関係は、せん断破壊後のPΔ効果による耐力低下を考慮して劣化形と仮定しているが、劣化勾配の算定方法については示していなかった。そこで、本研究では解析で用いる鉄筋の劣化勾配の算定法を示し、実験と解析の比較を行って、算定法の妥当性を検討した。また、この解析法を用いてせん断破壊を生じるRC柱を含む骨組の変形能力について調べた。解析により得られた結論は以下の通りである。 1)せん断破壊モデルを鉄筋の応力劣化を考慮した曲げモデルに置き換えることにより、せん断破壊するRC柱の崩壊に至るまでの挙動を有限要素解析により良好に追跡できる。 2)せん断柱が早期に崩壊する骨組の変形能力に、せん断柱の負の抵抗力を考慮する必要がある。 2.鉄筋コンクリート(RC)柱がせん断破壊時に崩壊するときの軸力と水平変位の関係を用いて靭性指標を定め、RC構造物の耐震診断を行なう方法を提案した。靭性指標は水平耐力が0となる時の崩壊点から安全率を考慮して定められている。現行の耐震診断では、せん断破壊するRC柱の種類ごとに靭性指標が定められているが、本診断法では統一的に靭性指標を決定することができる。また、診断で用いる変形角については実験結果と比較して、安全性を確認している。本報では、耐震壁のせん断による崩壊を考慮した耐震診断法を提案し、診断例の計算を行い、現行の耐震診断との比較、検討を行った。せん断破壊により崩壊する時の耐震壁の層間変形角を柱の場合と同様に求め、耐震壁を有するRC構造物の耐震診断を行った。RC柱からなる構造物の安全率を4とした時に、現行の診断法と対応していたのに対し、耐震壁を有する構造物では安全率を2とした時、現行の診断結果に近い値を示した。
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Research Products
(2 results)