2004 Fiscal Year Annual Research Report
小径木丸太とテンション材を用いた格子シェルの構造設計法に関する研究
Project/Area Number |
16560508
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤本 益美 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50117983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 克彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30301253)
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Keywords | 単層格子ドーム / テンション材 / 小径木 / テンセグリティ / 鉛直荷重載荷実験 / 初期軸力 / 4ストラットモデル / 離散的取扱法 |
Research Abstract |
小径木丸太及びテンション材を用いたシステムトラスで構成される単層格子ドーム及びテンセグリティ構造を対象として、実験的研究によりその力学性状を把握し、構造設計に有効な資料を提示している。 1.単層3方向格子ドームでは、鉛直荷重載荷実験を行い支持点の効果を検討した。 2.テンション材を格子対角に配置した矩形平面の単層2方向格子錐動曲面ドームでは、テンション材、格子材共に、材長管理を行い、テンション材締付により初期軸力を導入し、鉛直荷重載荷実験により初期軸力導入効果と座屈性状を示した。その結果、材長管理を精度良く行うと、本システムトラスでも、単層2方向格子ドームに工学的に有意な精度で軸力導入できることを明らかにした。また、小径木丸太を用いた単層格子ドームは、荷重変形性状、最大荷重、最終変形等が鋼管を用いた単層格子ドームとほぼ類似していることから、本システムトラスは、単層格子ドームにも適用できることを確認した。 3.本システムトラス用いた4ストラットモデルと及び梁状テンセグリティ構造物の組立を行い、テンセグリティもスペースフレームと同程度の施工性であることを明らかにした。さらに、工学的に有意な精度で軸力導入できること、軸力導入後の形状はほぼ設計値通りであることを示した。梁状テンセグリティ構造物の等分布荷重載荷実験から、4ストラットモデルからなる構造では、非常に柔であること、4ストラットモデルに補剛テンション材を加えると、大幅に剛性が増加することや、テンション材の軸力消失後の変形挙動が安定していることが確認された。システムトラスはテンセグリティ構造に適用可能であること、テンセグリティ構造が建築物の梁要素に適用できることを実験的に明らかにした。 4.離散的取扱法による数値解析法は、単層格子シェル、テンセグリティ構造の実験結果を精度良く算出できることが確認された。
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