2004 Fiscal Year Annual Research Report
地盤改良工法を用いた版築による土塀の築造方法に関する研究
Project/Area Number |
16560510
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
藤井 衛 東海大学, 工学部, 教授 (70130094)
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Keywords | 版築 / 締固め / 含水比 / 圧縮強度 / 密度 / 固化材 / 砂 / 粘性土 |
Research Abstract |
版築工法にとってまず必要となる知識は、土を締固めた時に最大の密度となる含水比、すなわち最適含水比を設定することにある。砂の場合には、締固め試験によってそれを求めることは容易であるが、粘性土にとっては含水比が大きいことと締固めにくいこともあって、その設定は難しい。そこで、6種類の粘性土に対して、締固め試験により最適含水比を求め、土の物理的諸元との関連性を調べてみた。用いた試料土の土粒子の密度は2.52〜2.68、液性限界は37.1〜92.5%、塑性限界は12.4%〜58.2%である。試験は試料土をφ50mm×100mmのモールドに均一になるよう木製の角棒で突き固めて、乾燥密度〜含水比との関係曲線から求めた。その結果、最適含水比は液性限界と塑性限界のほぼ中間に位置していることが判明し、さらにこの状態は土をボール状にできる限界の含水比であることがわかった。これにより、事前に土の自然含水比、液・塑性含水比を調査しておくことにより、必要な水分量を計算して求めておくことが可能となった。また、計算した含水比が妥当かどうかは、ボール状が1つの判定基準になるとわかった。このように、締固めを伴う土の一軸圧縮強さは、粘土分の含有量により強度と材令との関係が異なり、強度は砂分が多いほど密度の影響を受け、粘土分が多いほどポゾラン反応による影響が大きいことがわかった。さらに、一軸圧縮強さと固化材(ここでは高炉セメント)添加量との関係を調べたところ,土1m^3に対して80kg(80kg/m^3)の添加量によって最大強度を示すことがわかった。100kg/m^3以上になると、逆に締固めにくくなり、強度が低下することがわかった。そして、それぞれ固化材添加量が40kg/m^3、60kg/m^3、80kg/m^3、100kg/m^3の4つの壁面を持つ版築小屋を2棟築造し、3ヶ月にわたる暴露試験を実施したところ、80kg/m^3以上の添加量であれば、耐久性の面においても問題がないことが判明した。
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