2006 Fiscal Year Annual Research Report
木材から発生するセスキテルペンとオゾンの反応による空気汚染問題に関する研究
Project/Area Number |
16560525
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩下 剛 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (90253905)
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Keywords | 針葉樹材 / セスキテルペン類VOC / モノテルペン類VOC / 超微粒子 / オゾン / 反応定数 |
Research Abstract |
機械換気のされている実大居室に杉材を設置し,実験途中でオゾンを発生させ,オゾン発生前後の知覚空気質申告の差異を考察することを目的とした。昨年度までの研究では杉材から放散されるセスキテルペンとオゾンとの反応により超微粒子が生成されることを確認したが,化学反応によって生成される知覚空気汚染物質については確認できなかった。よって,本研究では被験者による知覚空気質申告値と化学物質濃度計測値との比較を行った。実験住宅の室1,室2を実験に用い、両室は15m^3/hの新鮮外気によって機械換気した。室1,室2は床面積が9.9m^2,天井高が2.5mである。室1のみに供試材である杉材を接着剤等を用いずにそのまま敷設し,室2は供試材を設置せずオゾンのみを室1と同条件で発生させる対照室とした。また、被験者が入室した際の視覚による心理的影響を除くために,室1,室2は室内に仕切りを設け,被験者からは仕切りの奥側が見えないようにした。知覚気質評価は,嗅覚パネルによる臭気強度,許容度,においの質申告によりなり,VOC濃度はGCIMS法によって測定した。また,粒径が100nm以下である超微粒子の濃度を測定した。実験開始20分後からオゾンを強制発生させた。オゾン発生後,臭気強度の平均申告値はかすかに上昇したが,その上昇度は有意ではなかった。一方,不快者率はオゾン発生前はほとんど0%であったが,オゾン発生40分後には50%以上の値となった。オゾンとセスキテルペンとの反応によるにおいの質的な変化がみられた。
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Research Products
(6 results)