2005 Fiscal Year Annual Research Report
大正・昭和初期の文化住宅における室内通風環境及び採光環境に関する研究
Project/Area Number |
16560531
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Research Institution | Aichi Konan College |
Principal Investigator |
大西 一也 愛知江南短期大学, 生活科学科, 助教授 (30310593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 哲美 名古屋工業大学, 都市循環システム工学, 教授 (80144210)
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Keywords | 文化住宅 / 昭和戦前期 / 通風環境 / 平面 |
Research Abstract |
昭和戦前期の単行本及び雑誌『住宅』を対象として、気候設計理論について検討した。 (1)昭和戦前期の単行本として刊行された27の文献に見られる室内環境調節法及び評価法を、1)配置計画・建物形状、2)南北の通風確保・間仕切り、3)居間等の配置・通風計画、4)縁側等の設置、5)深い軒・庇の設置、6)パーゴラの設置・植栽、7)床下・小屋裏の通風換気、8)屋根・壁の断熱性能、9)窓の工夫、10)隙間風の対策、11)冷房設備、12)暖房設備、13)室内気候の快適条件、14)和風住宅の利点、の14項目に整理した。 (2)室内環境調節による方法を、1)日射(熱の遮断)、2)日射(熱の受容)、3)通風(体感温度の低下)、4)通風(排熱・防湿)、5)断熱(構造・材料)、6)断熱(気密化による保温)、7)機械設備(冷房)、8)機械設備(暖房)、9)環境条件指標、10)総論、の10項目に整理した。 (3)防暑に関する記述の内容は幅広く、多くは設計計画において、日射の遮断、通風の促進、断熱工法などによるパッシブクーリング手法を勧める内容である。防寒に関する記述は、壁体の断熱や窓の気密性を高めるといった保温方法が散見されるが、多くは海外で普及していた各種暖房設備の紹介である。 (4)昭和6年から16年の11年間に『住宅』に掲載された記事のうち、防暑に関する記事48編、防寒に関する記事59編、合わせて107編が室内気候設計手法に関するものである。 (5)平面図で検証できる防暑に関する室内気候設計手法を7項目設定した。昭和6年から9年の4年間に『住宅』に掲載された住宅114戸の平均適用率は、4.5項目である。クラスター分析(Ward法)によると、室内環境調節は平均4.1項目と少なく、居間位置が南西及び南東にあるグループG(66%)と、居間位置が南、中廊下型で、室内環境調節が平均5.4項目と多いグループD(55%)の通風可能面積率が大きい。グループB(0%)とグループF(21%)は、室内環境調節がそれぞれ平均3.0項目と2.8項目と少なく、居間位置も南で、通風経路が確保しにくく通風可能面積率が小さい。
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Research Products
(4 results)