2004 Fiscal Year Annual Research Report
近畿地方の神社に現存する演能場・能舞台の建築構成に関する研究
Project/Area Number |
16560546
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
大岸 文夫 日本工業大学, 工学部, 講師 (60049715)
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Keywords | 能舞台 / 兵庫県 / 橋掛 / 本舞台 / 後座 / 地謡座 / 設計基準寸法 / 京間 |
Research Abstract |
本年度は、兵庫県下の神社に現存する演能場・能舞台を対象に、各社の演能や舞台を示す資料収集・発掘を行ない、当該神社の現地調査を主体とした、演能空間と能舞台構成に関する以下の調査、資料収集、分析図作成、そして評価・考察を行った。 調査内容・方法 1.能舞台の保有を探索するにあたり、各地誌、県・市町村史、神社名鑑、式内社調査報告書、民俗芸能史、各神社過去帳、農村舞台調査報告書、および県・市町村教育委員会作成資料などを基礎資料として、演能や舞台、舞殿、神楽殿などの記載が残る190社を抽出した。 2.その190社に対して、神社関係者および県・市教育委員会の協力を得て現地調査・取材を行った結果、51社において能舞台の現存を確認した。 3.能舞台が現存する51社の現地調査(実測、写真撮影、VTR撮影)を実施。 4.調査資料を下に、社殿構成、演能空間、能舞台分布、建築構成などに関する各図面作成および収集資料の整理を行った。 研究・分析内容 本研究は、上記調査資料から、神社の社殿構成や演能空間・能舞台建築構成および各地域の特徴など、以下の項目に関する分析・考察を行った。 1.各地域における現存及び廃絶とした演能場の分布。 2.神社境内の社殿配置と演能空間構成について。 3.能舞台建築構成(空間・寸法・構造・材料)について。 4.能舞台の設計基準寸法について分析を行った結果、京間、中京間、関東間の他、数種の寸法を確認した。 5.今日でも演能が行われている数カ所の神社の桟敷構成を調査し、評価を行った。
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