2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560553
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
天野 克也 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (60159457)
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Keywords | 低層住宅地 / コミュニティ / プライバシー / 安全性 / 開放性 / 生活感 / 街路閉鎖度 |
Research Abstract |
1.対象地区の選定:東京都世田谷区の低層住宅地から、街路網形態、敷地規模等の特性や現地調査、犯罪発生件数を踏まえ15地域を選定し、各地域南北街路、東西街路の2地区、計30地区を対象地区とした。 2.住宅地の物的空間要素の把握:地形図、現地調査をもとに、街路長、住戸数、隣棟間隔、街路閉鎖度等を求めた。街路閉鎖度は、敷地囲障(石垣、塀、植栽等)について、幅、高さ、透視性等の実態を現地にて確認した上で算定した。 3.居住者による住宅地開放性評価に関する意識調査:住宅地の開放性評価を、街路空問の表層領域としてみた場合の評価と住宅から街路側及び隣地側をみた場合の評価の2つの側面に着目して、対象地区内の居住世帯を対象とするアンケート調査(配布・郵送回収法)により把握した。評価方法は、開放性、安全性、プライバシーに関する形容詞対を設定し、7段階尺度によって求めた。 4.住宅地における開放性評価:(1)街路空間の表層領域としてみた場合;因子分析により「開放性」「生活感」「プライバシー性」の3因子構造からなることを示し、生活感とプライバシー性の因子得点には相関がみられること等を明らかにした。(2)住宅から街路側及び隣地側をみた場合;因子分析により街路側、隣地側ともに「開放性」「安全性」「プライバシー性」の3因子から構成され、ほぼ同じ評価構造からなることを示した。また、開放性と安全性は両立する評価特性であり、開放性とプライバシー性は街路方位によって評価の関係性が変化すること等を明らかにした。 5.住宅地の物的空間要素と開放性評価因子との関係:住宅マント空間構成要素と開放性評価因子(開放性、生活感、プライバシー性、安全性)との関係を重回帰分析により解析した結果、.塀の高さを1.5m以下におさえ、街路の長さに対する塀(高さ1.5m以上)の割合を30%以下、街路幅員を5m以上とすることが、プライバシー性を保ちつつ開放性の評価を負にしない条件であることを示唆した。
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Research Products
(2 results)