2005 Fiscal Year Annual Research Report
高精度密度測定による半導体融体の局所構造変化と濃度揺らぎの研究
Project/Area Number |
16560577
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
土屋 良海 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60089836)
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Keywords | Ge-Te molten alloy / Liquid-liquid transition / Specific heat / Sound velocity |
Research Abstract |
平成16年度購入物品により一部更新した高エネルギーガンマ線吸収法による密度測定装置を使用して、Te高濃度側の共晶組成(15at.%Te)を中心としたGe-Te系半導体液体の密度を組成を5%おきに変化させて再測定した。この結果よりモル体積を求め、以前に申請者が見出したモル体積が400℃近傍の極狭い範囲で10%程度も収縮することを再確認すると同時に、音速、比熱の測定を組み合わせることによってGe-Te系半導体液体の他に類を見ない急激な構造変化に伴うダーケン安定性の温度-組成依存性を申請者が導出した手法によって求めた。結果は共晶組成のGe_<15>Te_<85>では構造変化は濃度揺らぎを誘起せずに進行するが、この組成から外れると比熱のピーク(モル体積の収縮とそれによる熱膨張係数の負の鋭いピークに対応)が生じる温度組成領域でダーケン安定性が鋭く谷を作って顕著に減少することを初めて示すことが出来た。これによりGe-Te系半導体液体の液体-液体転移の存在をまぎれなく示すことができただけでなく、その構造変化の熱力学的特性のすべてを実験的に明らかにすることができた。結果はMonatshefte fur Chemie Chemical Monthlyの合金の熱力学特集号(2005年11月発行)に掲載され、またこの論文の比熱のデータは特集号の表紙に採用されている。 また、多価金属元素、合金の密度と音速を系統的に測定している。それらの結果より多価金属元素液体における液体-液体転移の存在を系統的に調べ、元素の周期表に液体-液体転移の特徴的な傾向が存在することを発見した。論文はZ.Metallkd. 97(2006)4掲載される予定である。
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Research Products
(2 results)