2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵素反応を利用したセラミックス前駆体モルフォロジーのバイオミメティック制御
Project/Area Number |
16560586
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鵜沼 英郎 山形大学, 工学部, 助教授 (30273303)
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Keywords | 水酸アパタイト / ウレアーゼ / 生体材料 / ポリ乳酸 |
Research Abstract |
本研究では、生物の体内で無機物(バイオミネラル)が作られる機構を模倣して、セラミックスの形態を制御する方法の確立を目的とする。 今年度は、生分解性ポリマーである絹織物およびポリ-L-乳酸の表面にウレアーゼを固定化し、これを尿素、硝酸カルシウム、燐酸アンモニウムを含む水溶液に浸すことによって、ポリマー表面に水酸アパタイトの被覆を形成させた。従来、ポリマー表面に水酸アパタイト被覆を形成するためには、ヒトの血漿の無機成分に近い組成の水溶液に基板ポリマーを数週間浸すという操作が必要であったが、本研究の手法では、わずか1日で水酸アパタイト被覆を形成することが可能になった。 得られた水酸アパタイトは、結晶性が低いこと、結晶格子内に炭酸イオンを含んでいること、カルシウムとリンの含有比率がカルシウム欠損であることの3点から、生体内で吸収されやすい「骨類似アパタイト」であることがわかった。 また、今年度は、酵素反応を利用して中空水酸アパタイト粒子の作製を試みた。ウレアーゼを内包するTiO2カプセルを調製し、これを上記と同じ水溶液に浸したところ、TiO2表面に水酸アパタイトの被覆が確認された。
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Research Products
(1 results)