2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560592
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井奥 洪二 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (60212726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 宏高 山口大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00301309)
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Keywords | 水酸アパタイト / ヒドロキシアパタイト / アパタイト / リン酸カルシウム / バイオセラミックス / 生体材料 / 人工骨 / 構造欠陥 |
Research Abstract |
生体材料や電子材料など様々な分野で応用が期待されている水酸アパタイト(hidroxyapatiteCa_<10>(PO_4)_6(OH)_2)の物理的、化学的性質は、その結晶構造、特にOHイオンと密接に関連していると考えられる。高温、低水蒸気圧下における脱水によって、hydroxyapaatiteは、oxy-hydroxyapatite Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_<2-2x>O_x□_xへと変化し、これがさらにCa_3(PO_4)_2及びCa_4P_2O_9への分解反応につながると考えられている。また、結晶中のOHサイトは、プロトン、酸素イオン伝導のパスとして重要な役割を果たすことが報告されている。そこで、OHイオンの欠陥を調べることが、アパタイトの基礎科学のみならず実用上重要である。 本研究では、ラマン散乱法および高分解能固体NMR装置を用いて、水酸アパタイトの欠陥構造を観察し、考察した。材料作製プロセスにおいては、加熱過程の制御によってOHイオンの制御が可能であることを見出し、さらには水酸アパタイトの表面構造が生体親和性に強く関与する可能性を確認した。 このように得られた知見を基にして、材料表面の結晶面を制御した各種の水酸アパタイト材料を創製し、生化学的な評価を行った。単結晶状の六角柱状水酸アパタイト粒子から構成される顆粒状、シート状およびブロック状の多孔体は、α面を多量に露出しているためにタンパク質の選択的吸着特性を示し、また各種細胞の接着、分化、増殖に優れていた。 以上のことから、水酸アパタイトの構造欠陥の解明は、水酸アパタイトの物性的特徴を最大限まで活かした機能性材料創製のために重要であり、引き続き検討する必要があると結論できる。
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Research Products
(6 results)