2004 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線レーザーによるガラスの高精度位置選択的結晶化と高機能光デバイスヘの応用
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16560594
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 隆士 鶴岡工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (60226024)
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Keywords | 赤外線レーザー / 位置選択的結晶化 / 強誘電体結晶 / 光導波路 |
Research Abstract |
析出させる強誘電体結晶をSm_2(MoO_4)_3に絞り、ホウ酸塩ならびにテルル酸塩ガラスからの析出の可否を検討した。具体的にはSm_2O_3-MoO_3-B_2O_3、Sm_2O_3-MoO_3-TeO_2系のガラス化範囲を決定し、熱処理によって目的とするSm_2(MoO_4)_3相が析出する組成を明らかにした。テルル酸塩系のガラス化範囲は非常に広くSm_2O_3-MoO_3の二元系でもガラス化することが明らかとなった。しかしながら目的とするSm_2(MoO_4)_3結晶の析出は全てのガラスにおいて確認できなかった。これに対してSm_2O_3-MoO_3-B_2O_3系は分相域が存在し唯一完全なガラスが得られるのは21.25Sm_2O_3-63.75MoO_3-15B_2O_3組成だけであった。しかしながら唯一ガラス化したこのガラスから目的のSm_2(MoO_4)_3結晶の析出が起こることを確認した。Sm_2(MoO_4)_3結晶は構造が異なる二相が存在することが知られている。目的とする強誘電性を示す相は900℃以上で平衡相であるにもかかわらず600℃程度の温度で析出が起こることが明らかとなった。これはガラスが高温で急冷されていることに起因していると考えられる。またガラスの網目構造が目的結晶の構造に類似していることも考えられる。Sm_2(MoO_4)_3結晶の析出が確認された21.25Sm_2O_3-63.75MoO_3-15B_2O_3ガラスにCW-YAGレーザーを照射することにより高精度位置選択的結晶化を試みた。レーザー照射によっても目的の結晶相が析出していることが確認されたが、その結晶性ラインの形態は荒れており光導波路としての使用のためには、析出形態の改善が必要である。
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