2005 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線レーザーによるガラスの高精度位置選択的結晶化と高機能光デバイスヘの応用
Project/Area Number |
16560594
|
Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 隆士 鶴岡工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (60226024)
|
Keywords | 位置選択的結晶化機構 / β-BaB_2O_4結晶 / 単結晶ライン / 光導波 |
Research Abstract |
バリウムホウ酸塩ガラスからのβ-BaB_2O_4結晶の詳細な位置選択的結晶化機構を解明するために、バリウムホウ酸塩ガラスの結晶化機構を非定温結晶化速度式を用いて検討した。検討したガラスは10Sm_2O_3-45BaO-45B_2O_3および10Sm_2O_3-40BaO-50B_2O_3である。双方ともに熱処理によってβ-BaB_2O_4結晶が析出することが確認された。解析の結果10Sm_2O_3-45BaO-45B_2O_3ガラスでは昇温過程で一定の核生成速度で拡散律速によって結晶が三次元成長していることが明らかとなった。また10Sm_2O_3-40BaO-50B_2O_3ガラスでは核の数は一定で拡散律速によって結晶が三次元成長していることが明らかとなった。これらの結果よりホウ酸成分の多いガラスの方が単結晶ラインを作製するには有利であると考えられる。 10Sm_2O_3-45BaO-45B_2O_3および10Sm_2O_3-40BaO-50B_2O_3ガラスからのβ-BaB_2O_4結晶の析出形態と析出形態に関する検討を行った。10Sm_2O_3-45BaO-45B_2O_3ガラスから析出する結晶には細かなリタデーションの差が見られ多結晶体が析出することが明らかとなった。照射条件の適正化を図ったがこのガラスから単結晶を析出させることは不可能であった。10Sm_2O_3-40BaO-50B_2O_3ガラスへのレーザー照射によって直接β-BaB_2O_4結晶の結晶化を誘起することは不可能であった。そこでβ-BaB_2O_4結晶粉末をガラス上に置きその周辺を加熱することにより、不均一核形成サイトを導入することにより結晶化を誘発することに成功した。この方法によって作製される結晶化ラインは均一であり単結晶であることが、SHG顕微鏡による発光特性から確認できた。またレーザー照射条件の適正化により最大で45°の屈曲を有する単結晶ラインの作製に成功した。さらにこの屈曲を有する単結晶ラインの光導波を確認した。
|