2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ土類系ホウ酸ガラスの局所構造:特異なガラス形成物性の解明
Project/Area Number |
16560599
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
梅咲 則正 (財)高輝度光科学研究センター, 産業利用推進室, 主席研究員 (70127190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鳥 範和 新潟大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (20272859)
半田 克巳 立命館大学, SRセンター, 契約職員(専門職) (70411246)
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Keywords | アルカリ土類ホウ酸ガラス / ガラス形成 / ガラス構造 / 分子動力学 / 中性子回折 / XANES |
Research Abstract |
種々の機能性ガラス材料の基本物質として幅広く利用されているホウ酸ガラスB_2O_3について、アルカリ系とアルカリ土類系ホウ酸ガラスの局所構造の差異とその支配因子を明らかにし、アルカリ土類系ホウ酸塩ガラスの特異なガラス形成挙動との関係について物性知見を得ることを目的として、アルカリ土類系ホウ酸ガラスならびにAl_2O_3を添加したガラス系についてガラス試料を試作しパルス中性子回折実験を行い、4配位型ホウ素の割合N_4の挙動を中心としたBの周囲の局所構造の変化を精密に解析し、局所構造とネットワーク構造の安定性との関係を調べた。さらに並行して分子動力学計算を行い、N_4の挙動を中心としたBの周囲の局所構造の変化を調べた。その結果、中性子回折実験によって得られた金属酸化物の組成に対するN_4の挙動は、NMR実験から求められた結果よりも赤外分光実験による結果を支持することが明らかになった。この結果は分子動力学計算からも支持され、アルカリ酸化物の添加の場合は金属イオン半径に対するN_4の挙動がアルカリ土類酸化物の場合とは逆になることが確定的になった。一方、アルカリ金属ホウ酸ガラスにAl_2O_3を添加したガラス系について分子動力学計算とパルス中性子実験を行った結果から、Al_2O_3の添加によって3配位ホウ素から4配位ホウ素への転換が抑制されることが明らかになった。このこととAl_2O_3の添加によるガラス構造の安定化を併せて考えると、4配位ホウ素の生成を抑制することが結果的に4配位ホウ素から非架橋性3配位ホウ素へのさらなる転換を抑制し、安定なガラス形成領域の存在に大きく関わっていると結論できた。 リチウムホウ酸塩ガラスのB K-edge XANES測定から3配位ホウ素の1sからpn^*への電子遷移に起因されるピーク位置及び強度、半値幅がLi_2Oの添加量増加に伴って極値を持って変化することが判明した。このピークの連続的な変化は、Li_2O添加量の増加と共にB原子の配位数が3から4へと増加し、更にLi_2O添加量を増加させるとB原子の配位数は4から3へと減少することを示し、分子動力学計算とパルス中性子実験結果と一致した。一方、アルカリ土類ホウ酸ガラスであるバリウムホウ酸塩ガラス及びバリウムアルミノホウ酸塩ガラスのAl、B、Ba Kedge XANES測定からも分子動力学計算とパルス中性子実験結果と同様の結果が得られ、Al_2O_3の添加によるガラス構造の安定化に大きく関わっていることが判明した。
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Research Products
(3 results)