2004 Fiscal Year Annual Research Report
γ+β二相組織を持つバナジウム添加チタンアルミナイドにおける強度と変形の支配機構
Project/Area Number |
16560606
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高橋 徹 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (80188028)
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Keywords | 金属間化合物 / 計量耐熱構造材料 / Al-Ti-V三元系合金 / 二相組織 / 降伏強さの温度依存性 / 高温強度 / クリープ |
Research Abstract |
軽量耐熱構造材料としてエンジンなどの軽量化・高効率化・高性能化に有効と期待されるチタンアルミナイド系金属間化合物にバナジウムを添加してγ+β二相組織とした合金の強度と変形について解析し,材料開発に役立つ基盤的情報を積み重ねることを目的として実験を行い,下の各項目に記述したような新しい知見を得た。 1.ミクロ組織のキャラクタライゼーション (1)γ相チタンアルミナイド金属間化合物を基軸の組成としてバナジウムを増量したAl-Ti-V三元系合金においては、面心正方晶のγ相と体心立方晶のβ相とが共存した微細二相組織が形成される組成範囲があり、それを超えるバナジウム濃度においてはβ単相組織が形成される。β単相材は粗大粒となる。 (2)γ相はβ相マトリクス中に粒子状に存在し,γとβが半々の組成でγ粒子径が2μm内外と微細化した。 2.圧縮強度とその温度依存性 (1)室温での圧縮強さはβ相の方がγ相より高かった。γ+β微細二相組織材の強度はβ相の強度に近かった。 (2)β相の強度は900K程度の温度以上で急激に低下し,1200Kより高い温度ではγ単相材の強度が高かったが,1000〜1100Kの温度範囲ではβ相の量が少ないγ+β微細二相組織材が最も優れた強さを示した。 3.高温クリープ特性 (1)1150Kを中心として行った圧縮クリープ試験では,β相の分量が多いほどクリープ速度が大きかった。 (2)γとβが半々の微細二相組織ではクリープ速度の応力指数が2程度と小さかった。 (3)クリープ速度の温度依存性は組織の構成には敏感でなく、約400kJ/molの活性化エネルギーを示した。 4.変形後のミクロ組織 (1)γ+β微細二相組織材の高温変形後の試料表面では異相界面すべりを示唆する起伏が観察された。
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Research Products
(1 results)