2005 Fiscal Year Annual Research Report
γ+β二相組織を持つバナジウム添加チタンアルミナイドにおける強度と変形の支配機構
Project/Area Number |
16560606
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高橋 徹 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (80188028)
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Keywords | 金属間化合物 / チタンアルミナイド / 軽量耐熱構造材料 / ミクロ組織 / 強度と変形 / バナジウム / 合金効果 / クリープ |
Research Abstract |
本研究では、平成16年度ならびに平成17年度の2年間にわたる研究期間において、下記の項目に関する実験的解析を行った。その結果、γ+β二相組織を持つアルミニウム-チタン-バナジウム三元系チタンアルミナイドの強度・変形特性を特徴づける下記の幅広い実験的情報を収集できた。 (1)L1_0規則構造のγ相と体心立方晶構造のβ相との二相から成るミクロ組織の特徴付け Al濃度を40原子%とし、残りをTiとVに分配した化学組成を持つ三元系合金で、結晶粒径が5〜2μmのγ+β微細二相組織が形成された。両相の体積分率は30原子%Vの組成でほぼ50:50であった。V量が多くなるにつれ、γ相の正方晶の軸比が大きくなる方向の変化が見られた。 (2)Al-Ti-V三元系合金の圧縮試験における強度とその温度依存性 上記の三元系合金は室温〜900Kの温度範囲では800MPa以上の高い耐力を示したが、900Kを超える温度では温度上昇とともに急激に強度が低下した。V量が高いほど高温強度が損なわれる傾向が見られ、微細二相組織における粒界・界面のすべりが高温での軟化を助長すると考えられた。 (3)高温での圧縮クリープにおけるクリープ曲線、クリープ速度とその応力依存性 1000〜1200Kの試験温度で行った圧縮クリープ試験において、高温強度に関する上記の所見と符合して、V濃度の高い材料でクリープ速度が高くなることが観察された。V濃度が20原子%の材料は低応力側で約2の応力指数を示し、粒界すべりが支配的に活動しているものと推論された。 (4)変形を加えた後のミクロ組織のキャラクタライゼーション 変形後のミクロ組織観察の結果から、温度とともにγ相とβ相の強度の大小関係が逆転すると考えられた。高温で大きな変形を加えた際の粒子の連結、試料表面の起伏に関する観察も行った。
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