2005 Fiscal Year Annual Research Report
溶質原子雰囲気ひきずり運動に基づくA1およびMg系固溶体合金の結晶配向制御
Project/Area Number |
16560609
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
福富 洋志 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90142265)
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Keywords | 動的再結晶 / 繊維集合組織 / (001)方位 / 錐面すべり |
Research Abstract |
アルミニウム合金としてAl-3mass%Mg、Al-5mass%MgおよびAl-3mass%Mg-0.2mass%Scの三種、マグネシウム合金としてAZ31およびAZ61合金の二種を対象として、高温圧縮変形における変形条件と集合組織ならびに組織形成の関係を種々歪み量を変えて調査した。得られた結果の主たるものは以下のごとくである。 アルミニウム合金について (1)Sc添加材を熱処理し、安定な析出物を形成させた上で高温圧縮変形して集合組織の形成挙動を調べたところ、同一変形条件での二元系合金と比べて(001)集合組織の形成が著しく抑制された。このことから、高温加工中に生ずる動的再結晶下での(001)繊維集合組織の形成機構は、結晶方位に依存した蓄積エネルギー差に由来する結晶粒界移動であると結論した。 (2)マグネシウム添加量を増大させると、(001)繊維集合組織の形成が促進される。このことも溶質原子雰囲気の効果が増大して、(001)方位以外の結晶粒の回復が抑制され、結晶粒界移動の駆動力が大きくなったと考えると理解できる。 マグネシウム合金について (1)本研究の条件内では例外なく動的再結晶が生じた。その際弱いながらも繊維集合組織が形成された。集合組織の主成分は温度と歪み速度によって連続的に変化した。高温・低歪み速度側になるほど圧縮面が底面に近づく方向に主成分が移動した。このことは、温度の上昇と共に錐面すべりのCRSSが低下すると考えると理解できる。 (2)AZ61合金では、溶質原子雰囲気引きずり運動の効果が顕著であるが、集合組織はAZ31と大きな差異はない。
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Research Products
(3 results)