2004 Fiscal Year Annual Research Report
イオン照射による超磁歪材料薄膜の表面改質に関する研究
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16560616
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松村 義人 東海大学, 工学部, 助教授 (60239085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 裕久 東海大学, 工学部, 教授 (20147119)
西 義武 東海大学, 工学部, 教授 (80119693)
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Keywords | イオンピーニング / 磁歪 / 超磁歪 / 薄膜 / イオン照射 / 残留応力 |
Research Abstract |
平成16年度は超磁歪材料薄膜のイオン照射処理と、その前段階である超磁歪材料薄膜の形成に関する基礎研究を行った。超磁歪材料薄膜としてTb_<36>Fe_<64>(正磁歪),Sm_<27>Fe_<73>(負磁歪)を、現有するフラッシュ蒸着装置(FE)・イオンプレーティング装置(IP)・マグネトロンスパッタリング装置(MS)・イオンビームスパッタリング装置(IBS)を用い形成した。また、希土類系と比較して靭性と耐食性の高いFe(bcc)系合金であるFe-xat%Ga(8<x<21)合金薄膜をMSを用いて作製した。その結果、緻密な柱状構造を有する場合、薄膜堆積中に基板へ到達するイオン/原子フラックス比の増加と共に圧縮残留応力が増加し、磁歪特性に大きな影響をもたらす事が明らかとなった。また、Fe-Ga薄膜はGa濃度の増加と共に磁歪感受率が向上することがわかった。 上記で得られた超磁歪材料薄膜についてその基板表面へ入射する粒子が磁歪特性へ及ぼす影響を詳細に調査するため、超磁歪材料薄膜に対し後処理としてArイオン照射を行った。Tb_<36>Fe_<64>、Sm_<27>Fe_<73>薄膜の作製後、10keVのArイオンを総照射量1x10^<18>ions/cm^2、イオン電流密度1.0-100μA/cm^2の条件で照射した。Tb_<36>Fe_<64>薄膜、Sm_<27>Fe_<73>薄膜の磁歪感受率はイオン電流密度に強く依存することが明らかとなった。これは低イオン電流密度照射による圧縮残留応力の増加と、高イオン電流密度照射による試料温度上昇が残留応力緩和を引き起こしたためと考えられる。超磁歪材料薄膜の磁歪特性は、照射損傷による応力誘起やアニール効果などの競合する要因に強く依存することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)