2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン照射による超磁歪材料薄膜の表面改質に関する研究
Project/Area Number |
16560616
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松村 義人 東海大学, 工学部, 教授 (60239085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 義武 東海大学, 工学部, 教授 (80119693)
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Keywords | イオン照射 / 超磁歪 / 薄膜 / テルビウム / サマリウム / 鉄 / アルミニウム / 内部応力 |
Research Abstract |
DCマグネトロンスパッタリング法により作製したTb-Fe薄膜およびSm-Fe薄膜に対し、異なるイオン電流密度でArイオンを照射することにより、その磁歪特性を検討した。 低イオン電流密度の照射に伴い、ノックオンされた薄膜原子により薄膜表面近傍に約20nmの照射損傷層が形成され、はじき出しによって引き起こされた体積の膨張によって圧縮の内部応力が増加することを明らかにした。正磁歪を示すTb-Fe薄膜では、薄膜面内の圧縮内部応力の増大が面垂直磁気異方性を増加させたため、磁歪感受率が減少した。負磁歪材料のSm-Fe薄膜では、圧縮内部応力の増大が面内磁気異方性を増加させたため、磁歪感受率が増加したと考えられる。 一方イオン電流密度を高くした結果、正磁歪材料のTb-Fe薄膜では、イオン照射による薄膜試料のアニール効果が増加するため内部応力が緩和され、垂直異方性が減少し磁歪感受率が増加することを見出した。 以上により、R-Fe(R : Sm, Tb)薄膜の磁歪特性はイオン照射が誘起する内部応力の変化に強く依存していることを明らかにすると共に、イオン照射によって成膜後に磁歪特性の制御が可能であることを実証した。 また、鉄-IIIA族元素の磁歪薄膜の研究においては、鉄中に20at%以下しか固溶しないアルミニウムであるが、イオンプレーティング法のようなプラズマプロセスを用いた場合、イオン衝撃によって導入された大きな過剰エネルギーにより、形成されたFe-Al薄膜では40at%以上もアルミニウムが鉄中に固溶した。その結果Fe-Al薄膜では、生じた格子歪により高い磁歪感受率を示すことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)