2006 Fiscal Year Annual Research Report
軽量耐熱O相基チタン合金の金属組織制御による室温特性及び高温特性の両立
Project/Area Number |
16560619
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
萩原 益夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, グループリーダー (80354182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江村 聡 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, 主任研究員 (00354184)
毛 勇 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, 特別研究員
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Keywords | チタン金属間化合物 / O相 / 軽量耐熱 / 粒径制御 / ラメラー金属組織 / 引張り特性 / クリープ特性 |
Research Abstract |
均質な合金素材を得るために、Arガス噴霧法を用いて製造した合金粉末を熱間静水圧プレス(HIP)処理して緻密化する、という粉末冶金の製造手法を採用した。 Ti-22Al-20Nb-2W合金粉末をステンレス管に真空封入後、1100℃、200MPaの条件でHIP処理を行い緻密化した。HIP処理後の試料を1000℃((B2+α_2)二相域)で圧延し、更に(B2+α_2)二相域での溶体化処理を加えることで、B2基質中に等軸状のα_2相を均一微細に分散させることが出来た。α_2相の分散状態は溶体化処理温度、時間によって変化した。このα_2相がB2結晶粒界の移動をピン止めする効果を利用して、B2結晶粒径を制御した。溶体化処理後に毎秒0.03Kの速度で徐冷して粒内をラメラー組織に制御した。 溶体化処理後のB2結晶粒径は、1020℃、100時間保持の条件で27μm、1050℃、100時間保持の条件で61μmとなり、B2単相域である1150℃で圧延、溶体化処理を行った材料(結晶粒径108μm)と比較して非常に微細化された。この結晶粒微細化に伴い、引張り強さ及び伸びは著しく増加した。例えば、結晶粒径108μmの試料の引張り強さ、伸びは、それぞれ850MPa、0.5%であるのに対して、結晶粒径を27μmに細かくすると、これらの値は、それぞれ、1220MPa、5%に増加した。 それぞれの材料を650℃、310MPaの条件でクリープ試験した。結晶粒径61μmの試料は、結晶粒径61μmの試料とほぼ同様のクリープ変形抵抗を示すのに対して、結晶粒径を27μmと細かくするとクリープ変形速度は大幅に増加した。 これらの結果より、室温特性と高温特性とが両立するような結晶粒径は、約50μmであると結論つけた。
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Research Products
(2 results)