2004 Fiscal Year Annual Research Report
繰返しねじり戻し強加工によるチタンの傾斜組織制御技術の開発
Project/Area Number |
16560640
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
久保木 功 静岡理工科大学, 助教授 (30360225)
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Keywords | ねじり加工 / ねじり戻し加工 / 工業用純チタン / 引張試験 / 硬さ試験 |
Research Abstract |
1.治工具および試験片の設計・製作 繰返しねじり戻し加工を行うための治工具および試験片を設計・製作した.供試材には工業用純チタン2種を用いた.試験片には平行部断面が□5mmの角棒とφ5mmの丸棒を用い,平行部長さを22mmとした. 2.繰返しねじり戻し加工条件 一定量のねじり(+)後,逆方向へのねじり戻し(-)を連続的に繰り返すねじり戻し加工を,純チタン角棒試験片に施した.両振りのねじり戻し加工(加工ルートR=+0.5-1+0.5回転)では一方向のねじりで全10回転分に相当するねじり戻し加工を加えた場合でも,稜線が比較的直線的であり,大きな外観形状の変化は見られなかった.しかし,これと1サイクルの加工量(回転数)が等しいR=±1回転の片振りのねじり戻し加工では,稜線のうねりが明らかとなり,外観形状に変化が見られた.また合計の回転数が同じでも,1サイクルの加工量が小さいほうが形状変化が小さく,原形回復しやすい傾向にある.稜線が比較的直線的であった両振りのねじり戻し加工R=+0.5-1+0.5回転では,全回転数が4回転分の加工を施しても表面にほとんどクラックは見られなかった. 3.引張試験および硬さ試験評価 (1)繰返しねじり戻し加工による引張強さの変化 純チタンの丸棒および角棒試験片ともねじり加工前の試験片よりねじり戻し加工した試験片のほうが,引張強さは大きくなった.丸棒試験片のねじり戻し加工R=+1-2+1回転では,加工前の状態よりも引張強さが550MPaから680MPaと約24%上昇した.しかし,ねじり回数を増やしても大きな変化は見られなかった. (2)繰返しねじり戻し加工後の断面硬さ分布 純チタンの丸棒試験片においてねじり戻し加工を施した試験片の硬さは,中心部から表層部にかけて徐々に上昇した.ねじり戻し加工R=+1-2+1回転では中心部の硬さが加工前の硬さとほぼ等しい約200HV0.1であったが,表層部の硬さは中心部のそれより約50HV0.1(約25%)増大し,約250HVとなった.小さな回転角で何度もねじるR=+0.5-1+0.5回転よりも,一度に大きく回転させたR=+1-2+1のほうが表層の硬さが約20HVほど大きくなった.
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Research Products
(1 results)