2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物超電導体の包晶凝固におけるファセット成長安定性と特性向上に関する研究
Project/Area Number |
16560647
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中村 雄一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20345953)
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Keywords | RE123 / 酸化物超電導体 / 包晶凝固 / ファセット / 連続成長 / 界面安定性 |
Research Abstract |
REBa_2Cu_3O_x(RE123;RE=Gd,Sm,etc.)酸化物超電導体の包晶凝固における連続成長条件と界面安定性を調べるために、試料直径が約2mmのGd123およびSm123試料について方向凝固を行い、界面温度勾配および引き上げ速度を変えて連続成長組織が得られる条件について調査した。その結果、連続成長が得られた引き上げ速度はGd123では8mm/hまでであったのに対し、Sm123では最大12mm/hであり、Sm123の方が高い速度まで連続成長が得られた。また共に界面近傍の温度勾配が大きいほど連続成長の得られる引き上げ速度が大きくなることが確認された。この結果を直径2mmのY123の結果と比較すると、Y123では2〜3mm/hまでしか連続成長組織が得られておらず、Y123<Gd123<Sm123の順で大きな速度まで連続成長が得やすいことが明らかになった。これは同一過冷度においてGd123,Sm123系の方が大きな溶質拡散の能力を有するためであると考えられ、これはRE123(RE=Y,Sm,Gd)結晶の成長速度を過冷度の関数として評価した実験結果からも確認された。方向凝固試料のファセット界面安定性にも影響する試料の長手方向に対するab面の傾きを調査した結果、Sm123ではおよそ40〜50°、Gd123では20〜30°程度であり引き上げ速度に対する明らかな依存性は得られず、Y123において引き上げ速度が大きくなるにつれ角度が小さくなったことと少し異なる傾向が得られた。この角度が変化するのは、成長におけるab面とac面の界面キネティクス効果が成長温度あるいは界面過飽和度により異なった依存性を示すことによるが、Gd123およびSm123においては、Y123に比べ成長界面への溶質供給が大きく界面温度の変化が比較的小さかったことが影響しているのではないかと考えられる。
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Research Products
(3 results)