2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物超電導体の包晶凝固におけるファセット成長安定性と特性向上に関する研究
Project/Area Number |
16560647
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中村 雄一 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (20345953)
|
Keywords | RE123 / 酸化物超電導体 / 包晶凝固 / ファセット / 連続成長 / 界面安定性 |
Research Abstract |
REBa_2Cu_3O_x(RE123;RE=Gd,Sm,etc.)酸化物超電導体の包晶凝固における連続成長条件と界面安定性を調べるため、銀を添加したSm123およびGd123試料の方向凝固を行い、その連続成長条件について検討した。また試料径の影響を調査するために約4mmのSm123試料について連続成長組織が得られる条件について調査した。 その結果、銀を添加した試料では偏包晶温度が銀添加のない場合の包晶温度より約40〜50℃低下した。連続成長可能な引き上げ速度も低下したが、銀を10%添加した直径2mmのSm123試料で8mm/hまで連続成長が得られ、銀添加Y123が1mm/h程度であるのに比べ十分大きな引き上げ速度が得られることがわかった。またこの銀添加したSm123試料では最大900A通電しても電圧発生が無く、超電導特性としても十分に高い値を示すことがわかった。一方、Sm123で試料径を2mmから4mmに大きくしたところ、2mm径の試料で十分に単一結晶成長が得られる4mm/hでも単一ファセットの連続成長は得られず、常に複数の結晶粒が平行して成長するセル状組織となった。本質的なファセット面の成長速度は変化無いと考えられるが、試料径が大きくなることでファセットの山と谷の温度差が大きくなり、単一成長できるファセット安定性が低下したためと考えられる。 方向凝固におけるファセット界面の安定限界にっいて、成長モデルから本質的に溶質拡散速度が大きいほど高速まで連続成長が可能となるが、ファセットの山と谷の温度差に敏感となり、単一ファセット成長を考える際には界面温度勾配の影響も大きくなることがわかった。ただし実験結果との比較には、実験データから成長におけるキネティクスの効果を定量的に分離し、その物理的な描写を深めることが必要であることがわかった。
|
Research Products
(2 results)