2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属ビスアミドを利用するテルル含有化合物半導体の新合成法に関する研究
Project/Area Number |
16560651
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
尾崎 義治 成蹊大学, 理工学部, 教授 (30054365)
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Keywords | テルル化鉛 / 化合物半導体 / 金属ビスアミド / 鉛ビスアミド / テルルビスアミド / 鉛テルルミスアミド |
Research Abstract |
前年度の研究でPbTe合成の前駆体であるPbTeビスアミド溶液の調製技術について確立した。本年度はそれを原料溶液として、(1)PbTe混合ビスアミドの直接加水分解によるPbTe合成、また(2)PbTe混合ビスアミドとブタノールのアルコリシス反応によってえたPbTe混合ブトキシドの加水分解によるPbTe合成を行った。この結果、どちらの方法によってもPbTe合成が可能であることがわかった。従って、プロセッシングの観点からは三成分系などの多元素化合物半導体の合成を行う際には系の化学的なコンパティビティーを得るため、アルコキシドあるいはビスアミドのどちらかのケミカル系を択一的に選択するというよりも,構成金属元素に応じて両者の混合系を選択することが可能である。すなわち,スピンコーティングのような溶媒の揮発が関与する系では加水分解で生じるアルコールやオルガノシラザンの種類や組成を制御することによって合成系の最適化が可能であることが明らかになった。また、本年度は金属ビスアミド法による半導体合成を他のテルル化金属に拡張するため、Bi、SnおよびZnビスアミドを含む混合Teビスアミドの合成についても検討を加えた。BiおよびZnについてはPbTeビスアミド同様、LiN(SiMe_3)_2存在下におけるTeビスアミドと金属塩化物の反応によってBiTeビスアミドおよびZnTeビスアミドの合成を確認した。ZnTeビスアミド合成の反応手順に従つた反応式は次の通りである。 TeCl_4+6LiN(SiMe_3)_2→Te[N(SiMe_3)_2]_4+2LiN(SiMe_3)_2+4LiCl↓ Te[N(SiMe_3)_2]_4+ZnCl_2+2LiN(SiMe_3)_2→ZnTe[N(SiMe_3)_2]_6+2LiCl↓ なお、Znビスアミドは単独での合成利用が可能であった。
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