2005 Fiscal Year Annual Research Report
リサイクル性を考慮した粒子分散鋳鉄複合材料の作製と特性評価
Project/Area Number |
16560653
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
米田 博幸 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 和典 近畿大学, 理工学部, 助手 (50268471)
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Keywords | 鋳鉄 / 粒子分散 / 部分複合化 / リサイクル / SiC / 溶湯含浸 |
Research Abstract |
研究目的:鋳鉄は耐摩耗性、耐食性などに優れた材料であるが、最近の機械類の高機能化に伴い、耐熱・耐食・耐摩耗性などの向上がより一層要求されている。そこで本研究は高硬度で耐熱性に優れるSiC粒子を用いてプリフォームを作り、これにねずみ鋳鉄溶湯、あるいは球状黒鉛鋳鉄溶湯を含浸させることにより、機械的性質や耐摩耗性に優れ、リサイクル性にも優れた粒子分散高機能鋳鉄複合材料を開発することを目的とした。本年度は、昨年度に引続き、SiC粒子分散鋳鉄複合材料を作製するとともに、得られた複合材料の摩耗特性などを調べた。 研究成果:SiC粒子を用いてプリフォームを作り、これを砂型内に設置し、ねずみ鋳鉄溶湯を注湯するプロセスにより、SiC粒子が鋳鉄表面部に分散した複合材料を作製することができた。この際、プリフォーム中のSiC粒子体積率を小さくし、鋳型の溶湯ヘッドを高くしてプリフォームに加わる溶湯圧を増加させることにより、溶湯含浸が容易になり、複合化状態の良好な複合材料が得られた。この複合材料の硬さは、ねずみ鋳鉄単体のそれに比べて大きくなった。またねずみ鋳鉄単体に比べ、複合材料の摩耗量は大きく減少したことから、SiC粒子の複合化によりねずみ鋳鉄の耐摩耗性も向上することが分かった。球状黒鉛鋳鉄溶湯は、ねずみ鋳鉄溶湯に比べて表面張力が大きく、複合化がやや困難であったため、鋳型内を減圧し、この減圧吸引力を利用して溶湯含浸を行った。この減圧吸引力の付加により溶湯含浸が容易になり、複合化状態の良好な複合材料が得られた。
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