2005 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池向け高分子電解質膜の燃料透過特性とその抑制に関する研究
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16560659
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 一宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30188289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 健一 山口大学, 工学部, 教授(特命) (20029218)
喜多 英敏 山口大学, 工学部, 教授 (10177826)
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Keywords | 燃料電池 / ポリイミド電解質膜 / メタノール透過性 / プロトン伝導度 / ガス透過性 / クロスオーバー / 発電性能 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、新規な化学構造のスルホン化ジアミンとナフタレンテトラカルボン酸無水物からスルホン化ポリイミド(SPI)膜を作製し、水収着量WU、イオン伝導度σ、ガス透過速度PG、メタノール透過速度PM、モロホロジーなどを調べた。また、今年度は、いくつかのSPI膜を用いて電解質膜-電極接合体(MEA)を作製し、メタノールを燃料とした時の発電特性を燃料電池評価装置で調べると同時に、実際の使用条件におけるMEAのメタノールクロスオーバー速度qMを測定した。これらの結果から、プロトン伝導度の低下を伴わずにメタノールの透過速度を低減する分子設計指針を検討し、SPI膜の実用化の可能性を検討した。 いずれのSPI膜もNafion膜に比べて低いPMを示し、湿度70%以上においてはNafion膜と同等の高いσを示した。この結果、直接メタノールを燃料として用いる燃料電池DMFCへの適合性の指標となるσ/PM比はNafionよりも最大4倍近く大きかった。側鎖型スルホン化ジアミンと易動性のエーテル基を2個含んだ非スルホン化ジアミン(モル比2:1)から合成した共重合SPI膜は最も小さなPMを示したが、それでもNafionの1/10程度で、目標の1/100には及ばなかった。量子化学計算で得られる分子表面の電荷分布から推算したマクロな熱力学物性の考察によって、化学構造を多少変えても、SPI主鎖とメタノールとの親和性を極端に小さくすることができないためであることが示唆された。qMはPMの約半分程度であったが、PMの小さなSPI膜のMEAは小さなqMを示す傾向があった。SPIのPMは濃度に依存しなかった。このため、NafionではqMが大きすぎて発電できないような高濃度メタノール水溶液(30〜50%)においてもSPIでは発電可能であった。従って、SPIはDMFCに適用可能と考えられる。
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