2004 Fiscal Year Annual Research Report
コロイド包括ゲル化反応を利用した新規廃液浄化プロセスに関する研究
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16560665
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
岩田 政司 鈴鹿工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (10151747)
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Keywords | アルギン酸 / ゲル / コロイド / エマルション / フミン酸 / 固液分離 / 濾過 / 圧搾 |
Research Abstract |
本研究は,「コロイド包括ゲル化処理プロセスを用いた新規な油水エマルション除去プロセスあるいは溶存有害物質除去プロセス」を開発することを目的としている。このプロセスでは,(1)コロイド懸濁液と油水エマルション(または溶存有機物含有廃水)を混合し,次いで,(2)この混合液とアルギン酸Na水溶液を混合し,(3)塩化Ca水溶液に滴下する。(4)油分(または有機物)を吸着したコロイド粒子はアルギン酸Caゲル中に閉じ込められる。(5)ゲル懸濁液を重力脱水し,次いで(6)圧搾脱水することにより,(7)油水エマルション(または溶存有機物含有廃水)は,清澄な搾液と脱水ケーク中に閉じ込められた油分(または有機物)とに分離される。 1.自動車用洗剤と自動車用ワックスの混合物を分散させ,メイジアン径が0.4μmのエマルションを調製した。濃度が2500〜30000ppmの範囲のO/Wエマルションを10000ppmのアルギン酸Na水溶液と等量混合して調製したゲルは,吸着担体を用いることなく油滴をほぼ包括していた。ゲルを圧搾脱水処理した際の,搾液中への油滴の漏れもほとんど見られなかった。エマルジョン包括ゲルの圧搾速度は,包括ゲル中の油分の割合が多くなるほど速くなった。 2.溶存有機物として,低分子量のトルイジンブルーと高分子量のフミン酸を選びゲルに包括させた。トルイジンブルーは,適切な吸着担体を選ばないと,本処理法では包括できないことが明らかとなった。一方,フミン酸は,吸着担体なしで直接ゲルに包括することができた。10〜700ppmのフミン酸水溶液を6000〜10000ppmのアルギン酸Na水溶液と等量混合して調製したゲルの場合,上澄み液に仕込み量の1/10が漏れたが,搾液への漏れは仕込み量に対し僅か1/250の割合であった。また,フミン酸包括アルギン酸Caゲルの圧搾速度は,純粋なアルギン酸Caゲルの圧搾速度と同じであった。
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