2006 Fiscal Year Annual Research Report
コロイド包括ゲル化反応を利用した新規廃液浄化プロセスに関する研究
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16560665
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
岩田 政司 鈴鹿工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (10151747)
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Keywords | アルギン酸 / ゲル / コロイド / トルイジンブルー / オルガノゲル / PMMA / 圧搾 / 固液分離 |
Research Abstract |
本研究は,「コロイド包括ゲル化処理プロセスを用いた新規な油水エマルション除去プロセスあるいは溶存有害物質除去プロセス」を開発すること,および「コロイド包括ゲル化処理プロセスの非水系コロイド懸濁液処理への拡張」を検討することを目的としている。 1.吸着プロセスを介し溶存有機物をコロイド包括処理するプロセスを検討した。有機物にトルイジンブルー(TB)を用い,吸着担体には粒子径が85nm,200nm,450nmの球状シリカを用いた。種々の濃度のTB水溶液25gを1000ppmのシリカコロイドと等量混合し,さらに10000ppmのアルギン酸Na水溶液50gと混合した後,10000ppmの塩化カルシウム液500gに滴下してTB包括アルギン酸Caゲルを調製した。ゲルを圧搾脱水した際の,搾液へのTBの漏れは,吸着担体であるシリカ粒子が存在すると,大幅に抑制されることが明らかとなった。また,仕込みTB量が多くなるほど,漏れる割合が少なくなった。 2.コロイド包括処理法を非水系コロイドの処理に拡張することを検討した。モデルプロセスとして,菜種油にポリメチルメタクリレート(PMMA,粒子径0.15μmまたは10μm)粒子を分散させ,12-ヒドロキシステアリン酸(HSA)と混合することでゲル化させ,次いで圧搾脱液し,PM融粒子をオルガノゲル内に閉じ込めたまま,清澄な搾液を得るプロセスを検討した。圧縮透過実験によりゲルの網目孔径を測定した結果,オルガノゲルの網目孔径は約0.1μm以下であることが分かった。PMMA包括オルガノゲルを定圧圧搾し,搾液に漏れたPMMAを定量した。菜種油中のPMMA濃度が1000ppm以上のとき,漏れた粒子の割合は仕込み量の1割以下であった。また,仕込みPMMA量が多くなるほど,漏れる割合が少なくなった。
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