2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁気及び電気泳動を利用した医療・環境用磁性粒子マイクロ化学分離システムの開発
Project/Area Number |
16560669
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 真一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80188193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西嶋 茂宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00156069)
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Keywords | 磁性微粒子 / 電気泳動速度 / 磁気泳動速度 / 分離システム / 集積 / 誘導 / 帯電状態 / ドラッグ・デリバリー・システム |
Research Abstract |
これまでに開発した性の弱い物質への磁気的種付け技術を基礎にして、先端医療分野や微量高感度環境分析に応用できるように、多様な物質の磁気牽引力による分離や誘導の開発を行ってきた。本研究では、さらにこの基礎技術を発展させ、磁場と電場を組み合わせた新規なシステムとしてのマイクロ化学精密分離システムの開発を行った。申請者は、磁性微粒子表面に多様な反応性や表面の帯電状態を制御する方法を開発してきたので、その磁性粒子に対して電気的分離ならびに磁気的分離が行えるよう、計算および実験的検討を行い、システムの概念設計を行った。とくに常磁性物質である細胞等に強磁性微粒子を接着させて、電気泳動速度の測定のみならず、磁気泳動速度の測定を行い、メディカルバイオ分野ならびに環境分野で使用可能なシステムの構築をめざした。また、磁場を精密制御することにより流れのある場から磁性粒子を効率よく集積させたり、分離する実験とシステムの開発も行ってきた。なかでも、粒子表面の帯電状態により分離した粒子をさらに磁気泳動により再度分離し、より精密な分離を行えるシステムの概念設計と簡単なモデルシステムが構築できた。将来的に実現が切望されている磁気ドラッグデリバリーや磁気ターゲティングに活用できる均一性粒子の集積、誘導、分離を可能にするための基礎実験を行い、誘導および分離に関しては計算結果と実験結果の間に良好な相関があることを見出した。これら精密分離が可能になったことで、体内の狭い患部にも局所的に集中させることのできる新規薬剤の開発や精製あるいは、米国の研究者と共同研究を行っているテロ活動に悪用されるような超微量毒物の迅速分析技術の構築にも資することが可能と考えている。
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Research Products
(5 results)