2005 Fiscal Year Annual Research Report
シルセスキオキサンを活用した特異的反応場を有する新規触媒材料の創製
Project/Area Number |
16560676
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
和田 健司 京都大学, 工学研究科, 講師 (10243049)
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Keywords | シルセスキオキサン / パラジウム / 多孔質酸化物 / 多元的細孔構造 / 水中有機合成反応 / ナノクラスター / アルコール酸化反応 / 不均一系触媒 |
Research Abstract |
シルセスキオキサンを活用した特異的反応場を有する新規触媒材料の創製について、1)籠状構造を有する新規シルセスキオキサンの合成、2)新規4族遷移金属含有シルセスキオキサンの合成と酸化触媒活性、3)新規スターバースト型およびデンドリマー型シルセスキオキサンの創製、および4)新規13族遷移金属含有シルセスキオキサンの合成と多孔質固体酸触媒の創製に加えて、以下の成果を得た。 新規シルセスキオキサン含有アミン配位子を合成し、これを活用してパラジウムおよびルテニウム錯体や、パラジウムナノクラスターを調製した。さらにこれらを空気気流中で焼成することによって、粒径が5から7nmに均一に制御された遷移金属酸化物のナノ粒子を内包し、かつ約0.6nmに均一に制御されたミクロ細孔のみを有するミクロポーラスシリカを調製した。さらに、酸化チタンをはじめとする種々の多孔質酸化物材料との複合化を検討したところ、ミクロ細孔に加えてメソ細孔を併せ持つ多元的細孔構造を有する酸化物を得た。酸化チタン担持触媒についてTEM観察を行ったところ、酸化チタン結晶粒子の表面には、直径1.5〜3.0nm程度の貴金属酸化物ナノ粒子を内包した、厚さ2nm程度のシリカ層が形成されていた。検討した触媒の中でも、特に酸化パラジウムナノ粒子を内包する酸化チタン担持シリカ触媒は、水溶媒中でのベンジルアルコールの空気酸化反応に対して優れた触媒活性・選択性を示した。なお、触媒は活性低下を伴うことなく、回収・再利用が可能であった。一方、シルセスキオキサン配位子を用いずに調製した触媒の場合には、水溶媒中での触媒活性が大きく低下しており、シルセスキオキサン由来のシリカ層の形成による水中での触媒活性の向上効果が示された。
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Research Products
(3 results)