2005 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒還元反応の基質選択性と還元深度の精密制御と硝酸イオンの還元無害化への展開
Project/Area Number |
16560679
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
古南 博 近畿大学, 理工学部, 助教授 (00257966)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / 還元反応 / 硝酸イオン / 窒素 |
Research Abstract |
本研究では、正孔捕捉剤(シュウ酸イオン)共存下、光触媒還元反応による硝酸イオン(NO_3^-)のN_2への還元無害化を検討した。まず、0.5wt%Cu-TiO_2を用いたときの懸濁液のpHの影響を検討した。pHを上げると還元生成物はNH_3からNO_2^-へと変化した。懸濁液をアルカリ性にすることで系内のプロトンが少なくなりNO_3^-のプロトン化が起こらなくなったためであると考えられる。光、触媒、正孔捕捉剤のいずれかが欠けると反応が進まないことから、この反応は光触媒的に進行していることを確認した。触媒にCuPd-TiO_2を用いてpH12で12h光照射するとNO_2^-は生成せず、代わりにN_2が生成し、光触媒によるNO_3^-のN_2への還元無害化が可能であることを見出した。つぎに、この条件下における窒素化合物の分布の経時変化を検討した。照射時間が短い領域でNO_2^-一時的に生成するが、時間を延ばすとNO_2^-はすぐに減少し検出されなくなった。一方、N_2の生成は誘導期を伴って増加した。CuおよびPdの担持量の影響を検討したところ、TiO_2に対してCuが0.5wt%、Pdが1.0wt%のときに最大活性となり、いずれかの成分をさらに増加させると活性は減少した。また、基質をNO_2^-に代え、触媒としてPd-TiO_2を用いてアルカリ性条件下で光触媒還元を行うと、NO_2^-は誘導期を持たずにN_2へと還元された。このことはNO_2^-からN_2への還元においてPdが助触媒として機能していることを表している。 以上のことから水中NO_3^-の光触媒還元による無害化反応においてCuPd-TiO_2触媒が有効に作用する。助触媒のCu、Pdの機能は異なり、CuはNO_3^-の酸素を引き抜く2電子還元の過程に、PdはNO_2^-からN_2を生成する3電子還元の過程に有効であると考えられる。
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Research Products
(4 results)