2006 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気性アンモニア酸化(Anammox)リアクター中の微生物共生関係の解明
Project/Area Number |
16560687
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
藤井 隆夫 崇城大学, その他部局等, 教授 (80165331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 憲治 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60029296)
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Keywords | 嫌気性アンモニア酸化 / Anammox / 脱窒 / 亜硫酸還元酵素 / nir S |
Research Abstract |
Anammox菌の重要な酵素と思われるヒドラジン酸化酵素(HZO)の性質の解明とHZOをコードするHZO遺伝子の塩基配列を決定した。本HZOは62kDaのポリペプチドに8個のヘムが結合した単量体の2分子からなる130kDaの2量体で、活性中心にP472があった。ヒドラジンの酸化に対するK_<m'>,V_<max>はそれぞれ5.5μM6.2μmol/min/mg proteinであり、ヒドロキシルアミンによるヒドラジン酸化の拮抗阻害が観察された。このK_iは2.4μMとかなり低くかった。従来の報告にはHZOのような性質の酵素の報告はなかった。HZOは菌体タンパク質の10%以上も発現しており、脱窒を行うAnammoxの中心的な酵素であると思われた。HZOをコードする遺伝子は2種類(hzoA. hzoB)あったが、両者のORFから推定されるアミノ酸配列には1残基の違いしかなかったが、hzoBとhzoAはともに多量に発現していたが、hzoBがhzoAの3〜5倍多く発現していた。両遺伝子のプロモータ領域は異なっており、環境条件によっては、hzoBとhzoAの発現量が異なる可能性が示唆された。 一方、他栄養性脱窒菌脱窒菌のキー酵素である,異化型亜硝酸還元酵素(Nir)遺伝子、nir Sを汚泥中から多種類検出した。これは、Anammox汚泥に従属栄型脱窒菌が共生していることを示している。Anammox汚泥から抽出したRNAに対して、検出したnir Sの遺伝子のうち主要と思われるnir Sをプローブとするノーザンハイブリダイゼーション解析を行った。その結果、ポジティブなバンドを検出できず、発現量が非常に少なく、一種類というより複数の従属栄型脱窒菌が集まってもたいした発現量にはならないように思われた。
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