Research Abstract |
昨年度開発した,進化アルゴリズムを利用してUAV(Unmanned Aerial Vehicle)の飛行経路を自立的,かつ適応的に生成する方法について,リアルタイムに経路生成を実施するための改良を施した. 具体的には,進化アルゴリズムのみに依存して最適なウェイポイントを探索するのではなく,ルールーベースの障害物回避アルゴリズムとのハイブリッド化を行うことによって,進化アルゴリズムのみでは妥当な解を得られないような場合であっても,リアルタイム計算において重要となる限られた時間内での計算性能において,数秒程度と十分高速に解を得ることが確認した.また,ウェイポイント数の増加やミッション領域の広域化に伴う計算時間増大の問題について,比較的時間に余裕があるミッション開始前においては,全飛行経路についての最適化計算を行い,飛行後に雨域等の動的障害物情報が更新され,新たに飛行経路の再計算が必要となった場合には,障害物との衝突が予想される部分を検出し,該当部分のみの再計算を行うことによって対処する方法を考案し,昨年度開発したリアルタイムハードウェアインザシミュレータにより,その性能の検証を行った. 複数機のUAVのタスクアサインと飛行経路を同時に最適化することにより,チームとしてUAVを機能させる方法については,複数のUAVにリーダー機を置き,リー一機が複数のウェイポイントを複数のUAVにタスクアサインを行い,各UAVは,アサインされたウェイポイントに対して各個体で障害物回避を行いつつ最適飛行経路を探索するとともに,得られた飛行経路のコストから,リーダー機はタスクアサインの最適化を繰り返すという方法を考案した.リーダー機が故障等により機能しない場合には,その機能がすべてのUAVに優先順位によって継承される構造をとっている.本方法は,全体的なパフォーマンスはリーダー機が考慮しつつ,各UAVの最適飛行経路については,各自が分散して計算を行うという,集中・分散型の効率的な最適化方法であり,オフラインおよびリアルタイムシミュレーションによってその有効性を確認した.
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