2004 Fiscal Year Annual Research Report
還元環境維持方式による高バックグラウンド重金属含有土壌・岩石処分に関する研究
Project/Area Number |
16560708
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十嵐 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90301944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 國臣 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20002305)
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Keywords | 酸化還元環境 / 重金属 / 岩盤掘削ずり / 処分 / 酸性水 / 溶出 / 降雨浸透 / 土捨場 |
Research Abstract |
岩盤掘削ずりに黄鉄鉱などの硫化鉱物が含有する場合、本来の還元環境から酸化環境への移行にともない、ずり埋立地(通称土捨場)などから硫酸酸性の酸性浸出水が発生したり、ヒ素等の重金属類が溶出することがある。そのような浸出水がどのような性状の岩石から溶出するのかを明らかにするとともに、適切で合理的な対策を講ずることが必要である。そのため、今年度は以下のことを明らかにした。 (1)ヒ素を溶出する岩石は、ヒ素含有量が多いだけでなく、イオウ含有量、すなわち硫化物含有量も多かった。このことは、黄鉄鉱などの硫化鉱物の酸化・溶解にともない含有ヒ素が溶出することを示唆する。 (2)(1)の結果から、ヒ素含有岩石を還元環境下で埋め立てられれば、ヒ素の溶出を抑制できることが予想され、そのための室内および現場試験計画を立案した。 (3)黄鉄鉱の酸化・溶解にともなう酸性水の発生を抑制するためには、天然に存在する方解石含有岩石を中和剤として利用する方法が有効であった。ただし、方解石含有岩石は黄鉄鉱含有岩石の下流側に埋め立てることが必要である。 (4)上記の結果から、方解石含有岩石が得られない場合、黄鉄鉱含有岩石も還元環境下で埋め立てられれば、酸性水の発生を抑制できることが予想され、ヒ素含有岩石と同様に取り扱うことができると判断される。 以上の結果を踏まえ、来年度は酸化還元制御によるずりの埋立環境の変化および浸出水性状の変化を室内および現場試験によって解明していく予定である。
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Research Products
(6 results)