2005 Fiscal Year Annual Research Report
遍元環境維持方式による高バックグラウンド重金属含有土壌・岩石処分に関する研究
Project/Area Number |
16560708
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
五十嵐 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90301944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 國臣 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20002305)
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Keywords | 岩石 / 酸化・還元 / 溶出 / ヒ素 / 酸素濃度 / pH / 原位置試験 / 土捨場 |
Research Abstract |
平成15年2月に土壌汚染対策法が施行されたことにともない,従来にも増して土壌汚染や地下水汚染が注目されてきている。現在,この法律が適用された事例は50件を超えるが,適用外の事例も多いことから,実際の土壌・地下水汚染の件数はこれをはるかに超えることが予想される。本法律の対象は人為起源の汚染としているが,鉱山,火山,温泉,断層などが多い日本国内では自然由来の重金属類濃度の高い岩盤も存在することから,自然由来の汚染に対しても合理的対応策を構築しておくことが必要である。 本研究では,変質を被った火山岩や海成堆積岩中に含有量が多い黄鉄鉱やそれに含まれる微量な重金属類に注目し,酸性水や重金属類の溶出の問題に対してその発生原因を明らかにし,合理的対策を講ずるために室内試験や原位置試験を行った。すなわち,室内バッチあるいはカラム試験によって黄鉄鉱含有岩石からの酸性水の溶出特性あるいはヒ素含有岩石からのヒ素の溶出特性を明らかにする一方,原位置試験によりそれらの掘削ずり埋立地における地化学環境を測定した。その結果,黄鉄鉱含有岩石からの酸性水の発生を抑制するためには,pH低下を緩和させるための合理的方法として方解石を含有する現地発生掘削ずりを利用する方法を提案した。また,ヒ素含有岩石からのヒ素の溶出を抑制するために,岩石の酸化反応にともない溶出するというヒ素の溶出機構を明らかにし,それを抑制ための合理的方法として埋立環境を還元状態にしたり,ヒ素吸着能を有する周辺粘性土などを覆土・敷土として使用する方法を提案した。
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Research Products
(3 results)