2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ対向壁再堆積層における水素同位体とりこみ機構と放出特性
Project/Area Number |
16560720
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永田 晋二 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40208012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 文 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90302215)
藤 健太郎 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40344717)
四竃 樹男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30196365)
山本 春也 特殊法人日本原子力研究所, 高崎研究所, 副主任研究員 (70354941)
高広 克己 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (80236348)
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Keywords | プラズマ対向材 / 再堆環層 / レーザーアブレーション / タングステン / 水素同位体 / 希ガス / イオン照射 |
Research Abstract |
本年度は、プラズマ対向材表面再堆積層を模擬した薄膜試料を、レーザーアブレーション法により作成し、成膜時の水素取り込み特性を調べた。さらに、イオン照射効果について検討するため、希ガスイオンを照射した際の表面形状および組成変化と水素吸放出特性との関連について調べる実験を行った。 レーザーアブレーションによる模擬堆積層の作成は日本原子力研究所高崎研究所にて行った。基板には平滑性を考慮してSiウェハーを用い、タングステンおよびSUS304をターゲットとして、酸素あるいはアルゴンガス圧を10^<-6>Torrから50mTorrの範囲で変化させ膜を堆積させた。膜中の水素濃度分布は反跳粒子検出法により定量し、水素以外の元素の深さプロファイルはラザフォード散乱法により測定した。さらに、二次イオン質量分析法(SIMS)による金属酸化物および残留ガス分析による深さプロファイル測定のほか、光電子分光による表面化学分析を行った。室温における蒸着では酸素雰囲気においても酸化物の形成は少なく、ガス圧の増加とともにとりこみ水素の濃度は上昇することが明らかになった。室温近傍では、残留ガスに含まれる水蒸気が蒸着表面で解離し、水素が膜中に取り込まれているものと予想される。模擬堆積層のイオン照射効果を検討するに先立ち、タングステン単結晶の表面層の形状および組成変化と水素とりこみついての実験を行った結果、5種類の希ガスのうち、HeだけでなくXe注入領域でも水素取り込みが起こることがわかった。イオン照射によりさまざまな表面形状変化が起こるが、表面では、WO_2あるいはWOなどの酸化物が形成されており、この酸化物多孔質表面が水分子の吸着・解離を促進させていると考えられる。熱放出実特性との比較から、水素の捕捉は酸化物によるものではなく、むしろ注入ガスに関連した欠陥(バブル、格子ひずみ)との相互作用によるものと予想される。
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Research Products
(1 results)