2005 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ対向壁再堆積層における水素同位体とりこみ機構と放出特性
Project/Area Number |
16560720
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永田 晋二 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40208012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 文 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90302215)
藤 健太郎 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40344717)
四竈 樹男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30196365)
山本 春也 日本原子力研究開発機構, 高崎量子応用研究所, 研究副主幹 (70354941)
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Keywords | プラズマ対向材 / 再堆積層 / スパッタリング / タングステン / 水素同位体 / 酸化物 / イオン照射 / 光学的性質 |
Research Abstract |
本年度は、プラズマ対向材表面再堆積層を模擬した薄膜試料としてタングステン酸化物薄膜をスパッタ法により作成し、成膜時の酸素分圧および基板温度による堆積膜の構造・組成、水素取り込み特性への影響をしらべ、さらに堆積酸化膜の光学的特性と水素濃度を調べることにより水素挙動について検討を行った。 模擬堆積タングステン酸化物層の作成は日本原子力研究所高崎研究所にてマグネトロンスパッタ装置を用いて行った。基板には平滑性を考慮してSiウェハーを用い、スパッタターゲットとしてはタングステンを用いた。酸素あるいはアルゴンガス圧は10^<-6>Torrから100mTorrの範囲で、基板温度は室温から900K範囲で変化させた。作成した堆積膜の構造および表面形態はX線回折およびAFMにより調べ、ラザフォード後方散乱分析により組成分析および膜厚測定を行った。膜中の水素の深さプロファイルは反跳粒子検出法により定量した。 スパッタリングによる堆積膜形成では、成膜時の水素取り込みはほとんど起こらないことがわかった。基板温度が室温の場合にはX線回折ピークは現れず非晶質を示すが、基板温度の上昇とともに十分な結晶性が得られるとともに配向性が良くなることがわかった。酸素分圧が低い場合には暗青色の比較的電気伝導度の高い膜が形成されるが、適当な酸素分圧では絶縁性の高い透明な膜が作られる。この透明膜にパラジウムを蒸着した試料を1%水素を含むアルゴンガスに曝した場合、瞬時に青色変色するガスクロミック特性を示す。ガスクロミック特性はタングステン膜中の酸素濃度に大きく依存する一方、基板温度による結晶性の違いとの相関はみられなかった。また、種々の条件で作成された膜に重水素イオンを注入した場合の捕捉量および熱放出特性は結晶構造および堆積膜中の酸素濃度にはほとんどよらないことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)