2004 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉プラズマ対向壁の損耗寿命と燃料・不純物リサイクリング評価プログラムの開発
Project/Area Number |
16560722
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大宅 薫 徳島大学, 工学部, 教授 (10108855)
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Keywords | 核融合 / プラズマ・壁相互作用 / 損耗・再堆積 / トリチウムリテンション / ITER / 化学スパッタリング / 計算機シミュレーション / 表面改質 |
Research Abstract |
本研究は、核融合炉定常運転時のプラズマ対向壁における、(1)不純物発生と輸送、(2)壁材料の損耗と再堆積、(3)水素リサイクリングとトリチウムリテンション、の問題について、モデルの構築とそれに基づく計算機シミュレーションコードの確立を目的としている。 本研究で開発する「核融合炉壁の損耗寿命と燃料・不純物リサイクリングの評価プログラム」の元となるプラズマ壁相互作用シミュレーションEDDYコードは、"イオン・固体相互作用モジュール"と"周辺プラズマ輸送モジュール"から成る。これらは共に、モンテカルロ法と解析的手法を組み合わせて、エネルギーを持った燃料イオンや不純物イオン、壁材料原子や炭化水素分子などの化学反応生成物の壁材料中または周辺プラズマ中の軌道を計算し、一方の出力が他方の入力になり、プラズマと材料とが有機的に結合した核融合炉内で起こる現象をシミュレーションする。 本年度は、特に、(1)炭素材の化学スパッタリングにより放出された炭化水素分子の周辺プラズマ中の輸送モジュールの精密化と、(2)タングステン、炭素、ベリリウムの材料混成による損耗寿命変化の研究とイオン・固体相互作用モジュールの改良、重点をおいて研究を行った。次年度の定常核融合炉に対応するシミュレーションプログラムの完成と指針となる炉壁データの生産を目指し、基礎的な部分に重点をおいて、「炭化水素分子輸送」、「材料混成」の詳細なモデルの構築と、現存する核融合装置における実測データとの比較によるモデルの検証を行いながら、定常核融合炉にも適用できるモデルとソフトウエアモジュールを作成した。記載の研究発表のほか、本年5月東京で開催される7th Intern.Symp.on Fusion Nuclear Technologyにも発表予定である。
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Research Products
(6 results)