2005 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉プラズマ対向壁の損耗寿命と燃料・不純物リサイクリング評価プログラムの開発
Project/Area Number |
16560722
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大宅 薫 徳島大学, 工学部, 教授 (10108855)
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Keywords | 核融合 / プラズマ・壁相互作用 / 損耗・再堆積 / トリチウムリテンション / ITER / JT-60U / ダイバータ / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
プラズマ対向壁の中で最も高熱・高粒子束プラズマの照射を受け、正確な損耗寿命の評価が望まれているのは、ダイバータ領域内のダイバータターゲットである。ITERでは当初これに黒鉛を使う計画であったが、その損耗寿命が化学スパッタリング損耗率と炭化水素分子の原子分子過程の反応率に大きく依存することと、炭化水素分子の再付着が水素リテンション量の多い炭素再堆積層が形成する安全上の理由から、現在、タングステン等の使用も検討されている。本年度は、特に、黒鉛の損耗寿命評価に関わる炭素再堆積層の形成過程と水素濃度分布について、日本原子力研究機構のJT-60Uにおける使用後の黒鉛ダイバータタイルの表面分析結果と比較しながら、"化学スパッタリングモジュール"と"周辺プラズマ輸送モジュール"を統合し、黒鉛の損耗寿命と水素リテンション量を評価するプログラムを作成した。 また、水素リテンション量の特に多い炭素再堆積層が黒鉛タイルの側面やタイル間の隙間、さらにプラズマ照射のほとんどないと考えられる排気口近くに形成されるため、ダイバータ領域全体を計算空間とし、ターゲットの表面構造を組み込み、実機条件でのターゲット上の損耗・再堆積分布や水素リテンション分布を評価するプログラムを開発した。 以上のように、本研究の最終年度である、平成17年度は、ITER計画、さらには定常核融合炉設計への貢献に重点を移し、平成16年度開発あるいは改良した"イオン・固体相互作用モジュール"、"化学スパッタリングモジュール"、"周辺プラズマ輸送モジュール"を統合し、プラズマ・壁相互作用の総合的ソフトウエアとして、EDDYコードの性能試験を行いながらプログラムを発展させ、プラズマ対向壁の損耗寿命とトリチウム蓄積量を評価し、実機モデルのダイバータ領域におけるそれらの分布に関する詳細なデータを得た。
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Research Products
(5 results)