2004 Fiscal Year Annual Research Report
中性粒子入射プラズマ加熱に対する核弾性衝突の影響と解析モデルに関する研究
Project/Area Number |
16560723
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松浦 秀明 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50238961)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 安幸 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00164129)
工藤 和彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40039681)
|
Keywords | 核弾性散乱 / 高エネルギーイオン / NBI加熱 / Boltzmann-Fokker-Planck方程式 / エネルギー分配割合 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高エネルギーイオンの核弾性衝突がプラズマへ及ぼす影響を記述するための解析モデルを整備し、中性粒子入射プラズマ加熱時の入射ビームとBackgroundイオン間の核弾性衝突が、プラズマ加熱にどのような影響を及ぼすかを定量的に調べることである。これに関して、本年度は以下の成果を得た。 1.Background重陽子及びトリトンにMaxwell分布を仮定し、プラズマ中へ入射された重陽子の分布関数を求めるためのBoltzmann-Fokker-Planck(BFP)コードを開発した。DTプラズマへ重陽子Beam入射加熱を行う場合を想定して、入射重陽子の速度分布関数を求めた。〔(a)求まった分布関数を直接積分して得られる粒子数、及び巨視的な入射・損失に伴う粒子数の相対誤差、(b)入射エネルギー、BeamイオンからBackgroundイオン・電子への輸送エネルギー、プラズマからの損失エネルギー間のエネルギー収支、がいずれも0.1%以下となることを確認。〕 2.得られた分布関数を用いて、入射粒子から核弾性衝突及びCoulomb衝突を介してBulkイオン・電子へ輸送されるエネルギーを求め、核弾性衝突にともなうイオン加熱の増加量を評価した。核弾性衝突の影響により、Backgroundイオンの加熱が促進され、入射重陽子のエネルギーが1MeVを超える領域で、その促進が顕著に現われはじめることがわかった。 3.プラズマ温度・密度をパラメータとして、BFP方程式を解き、核弾性衝突の影響を調べた。高温・低密度域で核弾性衝突の影響によるイオン加熱が一層促進される。温度10keV、電子密度2×10^<19>m^<-3>、入射Beamエネルギーが1.5MeVの場合、イオンへのエネルギー分配割合が約10%増加することがわかった。
|
Research Products
(1 results)