2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルヴェン固有モード周波数帯の不安定性に関する理論・シミュレーション研究
Project/Area Number |
16560728
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
藤堂 泰 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (00249971)
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Keywords | 高エネルギー粒子 / アルヴェン固有モード / 拡張MHD / 補完流体法 / シミュレーション / LHD / ITER |
Research Abstract |
1.アルヴェン固有モード挙動予測の精度を向上するために、円柱座標系MEGAコードにドリフトモデルと拡張オーム則を導入した。ドリフトモデルはイオン反磁性ドリフトとイオン有限ラーモア半径効果を含む流体モデルであり、その方程式系はMHDとよく似ている。このモデルを用いて1次元運動論的アルヴェン波のシミュレーションを実行し、分散関係がよく再現できることを確認した。同時に、電子のランダウ流体モデルを用いた拡張オーム則をMEGAコードに導入した。これにより電子ランダウ減衰による実効的な電気抵抗が導入されている。この拡張MEGAコードを用いて、ITER弱負磁気シアにおけるα粒子駆動型不安定性のシミュレーションを実行した。初期条件は、ITER Technical Basisを参考にし、α粒子分布はD-T反応率と減速時間に基づいて計算した。線形段階では、プラズマ中心付近の低トロイダルモード数(n=2-5)アルヴェン固有モードが不安定性であり、最不安定モードはn=3であった。非線形段階でのα粒子ベータ値減少の最大値は中心値と比較して5%程度であった。 2.プラズマ粒子シミュレーションにおけるδf法は数値雑音を低減する強力な手法であるが、粒子数・運動量・エネルギーなどの物理量の保存が保証されていないという欠点がある。δf法の物理量保存を改善する新しいシミュレーション手法「補完流体法」を考案し、1次元bump-on-tail不安定性のシミュレーションを実行して、物理量保存が改善されることを実証した。補完流体法を用いれば、位相空間内で運動論的効果が重要な部分にのみマーカー粒子を配置する効率の良い連結シミュレーションが可能になる。補完流体法は粒子-流体連結シミュレーションを単独で継ぎ目なしに可能にするのである。
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Research Products
(4 results)