2004 Fiscal Year Annual Research Report
中性子スピンエコー法による水の低エネルギー非弾性散乱測定と精密な群定数の構築
Project/Area Number |
16560734
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田崎 誠司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40197348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 信弘 京都大学, 工学研究科, 教授 (10026312)
日野 正裕 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70314292)
安部 豊 京都大学, 工学研究科, 助手 (80378794)
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Keywords | 群定数 / 中性子散乱 / エネルギー遷移 / 中性子スピンエコー法 / 非弾性散乱 / 重水 |
Research Abstract |
本研究では、日本原子力研究所改造3号炉の極冷中性子を用いたフーリエ時間の短いMieze型中性子スピンエコー法を利用し、比較的短い時間での水の中間相関関数を測定し水の2重微分断面積を求め、これに基づいて水に関する精密な群定数の構築を目的とする。この目的のために、本年度は以下の項目について研究を実施した。 1.東京大学物性研究所の中性子非弾性散乱装置であるAGNESを用い、重水の準・非弾性散乱を試料温度を4℃〜70℃の範囲で変化させて測定した。この結果は、Mieze型中性子スピンエコー測定の基礎データとなるばかりでなく、重水に関してはこのような広い温度範囲にわたる中性子散乱測定結果はこれまで報告されていないため、新たな知見が得られた。 2.Mieze型スピンエコー装置では、2次元位置感度型光電子増倍管を導入し、新しい高周波中性子スピンフリッパーの試作を行うなど整備および基礎的データの取得が行われた。しかしながら現状ではビーム強度が弱く散乱実験ができないため、散乱実験を行うために必要なビーム強度を得るための改造を検討した。 3.Mieze型スピンエコー装置で試料の温度を変化させる温度調節機の選定・設計を行い、必要な部品を購入した。これらはこれから製作されるスピンエコー装置の試料台にあわせて設置される予定である。 4.群定数の構築に関しては、現状の計算模型を使って求めるための方法が構築された。しかしながら、この計算模型ではAGNESで得られた実験結果に完全には一致しない。実験結果がよりよく再現できるように現在計算模型の検討を行っている。
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Research Products
(3 results)